ID3腰椎ヘルニアでも筋トレしていい?前屈で痛い・しびれがある人の「NG動作」と「再開の目安」

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ヘルニアかもしれないブラック太郎

監修・執筆:ブラック太郎
柔道整復師・鍼灸師・NASMPES認定トレーナー。
整形外科クリニック・パーソナルトレーニングジム・施術院にて14年以上、腰痛と運動指導に従事。

この記事でわかること
  • まず止めるべき悪化サイン(受診を優先するタイミング)
  • 避けるべき3つのNG動作(種目名ではなく負荷のかかり方で理解する)
  • 再開の基準となる3つの条件
  • ぶり返しを防ぐ再開の順序(腹圧→低負荷→可動域→元のメニュー)
  • ヘルニア疑いの目安(前屈で痛い・放散痛・しびれ)を整理する考え方
この記事の結論

ヘルニアが疑わしくても、避ける動作と再開の順序を守れば筋トレは続けられる場合があります。

NG動作は「前屈+荷重」「丸めた姿勢の高負荷」「痛みを押し切る」の3つ。

ただし、しびれが増える・力が入りにくいなどの悪化サインがあれば、筋トレより受診を優先してください。

こんにちは。

私は柔道整復師・鍼灸師・NASMPESとして、整形外科クリニック・パーソナルジム・整骨院で14年以上、腰の悩みと運動指導に関わってきました。

前屈で痛い、脚にしびれがある(足先までジンジンする)、やめるべきか続けるべきか分からない。

そんなときは、種目名で判断するよりも、避ける動作(負荷のかかり方)と再開の順序を押さえるほうが安全です。

このページでは、まず筋トレを止めるべき悪化サインを確認し、次に「避けるべき動作」と「再開の目安」を、最短で分かる形にまとめます。

目次

結論|ヘルニアでも筋トレは「避ける動作×再開の順序」で続けられる(ただし悪化サインは別)

ヘルニアが気になっていても、筋トレを「やめる/続ける」で白黒つけると迷いが増えます。

2025年に発表された複数の研究をまとめた調査(Arslan&Ülger)でも、腰椎ヘルニアに対する運動介入は痛みや機能の改善に一定の効果がある可能性が示されており、「動かさないほうが安全」とは言い切れないことが分かっています。

私の臨床現場(整形外科クリニック、パーソナルジム、整骨院)でも、うまくいく人の共通点はシンプルで、悪化しやすい動きを避けることと、再開の順序を守ることでした。

たとえば、痛みが落ち着いた日に元の重量へ戻して、翌朝にしびれが強くなって振り出しへ戻るクライアントさんがいました。逆に、物足りない強度でも再開の順番を守った人は、腰痛のぶり返しが減りました。

とくに「前屈で痛い」「脚にしびれがある」状態では、種目名よりも負荷のかかり方(=腰だけに負荷が集まるか/脚やお尻に負荷を分散できるか)が重要になります。

同じスクワットでも、腰を丸めたまま続けるのか、腰が丸まりにくい形で負荷を分散できるのかで結果が変わります。

このページで持ち帰ってほしい判断の軸は、次の2本です。

  • 避ける動作
    • 前屈+荷重、丸めた姿勢の高負荷、しびれや痛みがあっても続けるやり方
  • 再開の順序
    • まず悪化サインが増えていないか確認し、次に腹圧(お腹の内側の圧)を整え、低負荷から段階的に戻す流れ

ただし、ここだけは例外です。

痛みが鋭くなる/電気が走る感じが増える/安静にしていても強くなる/寝ていても痛みが増える、痛み方が変わるなど「悪化サイン」があるなら、筋トレで調整する段階ではありません。
まずは筋トレを中止して、受診・相談の判断を優先してください。

悪化サインと受診目安はこちら(ID7)

腹圧(IAP)の全体像はこちら(ID11)

休む日数と再開判断はこちら(ID9)

この章は、「ヘルニアでも筋トレは続けられる場合がある。その条件は避ける動作×再開の順序。ただし悪化サインがあれば受診を優先する」と覚えておけば十分です。

ヘルニア「疑い」の目安|前屈で痛い・放散痛・しびれを決めつけず整理する

「ヘルニアかも」と感じたときに一番やってほしくないのは、自己判断で断定して動きを止めすぎることです。

逆に、痛みやしびれが出ているのに筋トレを続けるのも危険になります。

臨床の現場でも多いのは、「腰が痛い=ヘルニア」と決めつけて不安が膨らむケースです。

実際には、同じような症状に見えても、からだの反応は人によって違います。

ここでは診断は行わず、疑いを整理するために次の3つを確認します。

  1. 前屈で痛みが増えるか(腰だけか、脚までか)
  2. 痛みが広がるか(放散痛=腰の痛みが、お尻〜脚へ広がる感じ)
  3. しびれがあるか(範囲・強さ・変化)

※この章は診断ではなく、疑いを整理して次の行動を決めるための確認です。

なお、しびれが増える/力が入りにくいなどの悪化サインがあるなら、筋トレで調整をする時期ではありません。

その場合は(ID7|悪化サインと受診目安)を先に確認して、受診・相談を優先してください。

前屈(前かがみ・かがむ動き)で痛みが増える(腰〜脚にかけて)

前屈で痛みが増える日は、腰を丸めたまま重い負荷をかける動作をいったん外すだけで、次の日が変わることがあります。

前屈で痛みが増えるパターンは、腰を丸める動きが痛みの引き金になっている可能性があります。

例えば、靴下をはく、床の物を拾う、長く座ってから立つ場面で腰の痛みが強く出るなどです。

ここで観察したいのは、痛みの場所と戻したあとの変化です。

次の3つだけ、落ち着いてチェックしてください。

  1. 痛みは腰だけですか。それとも、お尻・太もも・ふくらはぎまで出ますか。
  2. 前にかがんだ瞬間だけ痛いですか。それとも、戻してもしばらく残りますか。
  3. 「いつもの腰の痛み」より、鋭さや重さが増えていますか。

腰だけで収まるなら、腰まわりの筋肉や関節の負担でも起こります。

一方で、脚まで響く感じがあるなら、神経が刺激されている可能性があります。

前屈で痛みが増える日は、いったん「腰や背中が丸いまま重い負荷をかける動き」は避けてください。

筋トレを続けられそうかどうかは、このあとに続く「放散痛」と「しびれ」を合わせて判断します。

脚への放散痛(広がる痛み)

放散痛は「あるかどうか」より「広がり方が変化しているか」で判断します。

放散痛は、腰の痛みがお尻〜脚へ広がるように感じる痛みを指します。

お尻から脚にかけて広い範囲が重だるく感じることが多いです。

ここで大事なのは、放散痛があるかどうかよりも、広がり方が変化しているかどうかです。

現場でも、悪化する人は「昨日より足先まで痛みやしびれが伸びる」「痛みやしびれの範囲が広がる」を見落としがちでした。

確認ポイントは次の通りです。

  1. 痛みは片脚だけか。両脚にも出ているか
  2. 痛みやしびれは、お尻で止まるか。膝より下まで広がっているかどうか
  3. 数日で、痛みが出る場所が「お尻→太もも→すね」のように下へ広がっているかどうか

注意したいのは、放散痛の原因が必ずしも腰(ヘルニア)とは限らない点です。お尻まわりの硬さや負担でも、似た広がり方をすることがあります。

「お尻由来かもしれない」と感じたら、(ID6)で振り分けを先に行ってください。

この整理だけでも、次の行動が決めやすくなります。

しびれ(範囲・強さ・変化)

しびれは「ある・ない」で判断せず、範囲・強さ・変化の3点でチェックします。

しびれは「ピリピリ」「ジンジン」「感覚がにぶい」など、表現が人で分かれます。

だからこそ、主観だけで判断せず、範囲・強さ・変化の3点で見ます。

まず、しびれがある人は、次の項目を確認してください。

  1. どこがしびれますか?(お尻/太もも/すね/足先など)
  2. どのくらい続きますか?(動いたときだけ/ずっと)
  3. 昨日よりしびれが増えていますか?範囲が広がっていますか?

臨床では「しびれはあるけど、毎回同じ場所で同じ強さ」なら、焦らなくても良い場合が多いです。

警告

範囲が広がる/しびれの強さが上がる/力が入りにくい、どれかがはっきり出たら、筋トレは中止して受診・相談を優先してください。

とくに、つま先立ちやかかと歩きで左右差が出る、足がもつれる感じが増えるなどは要注意です。

その場合は筋トレをいったん止めて、(ID7)の悪化サインを先に確認してください。

しびれの原因が整理できれば、できるトレーニングは残っています。

次のパートでは「避ける動作」を具体化して、悪化させにくい方向に整えていきます。

まず止めるべき悪化サイン|「様子見」より受診・相談を優先するサイン

腰痛でやってはいけない筋トレを止めるブラック太郎

ヘルニアで一番怖いのは、痛みそのものよりも、神経のトラブルが進むサインを見落とすことです。

現場でも「いつもの腰痛だと思って続けたら、しびれが広がっていた」というケースはゼロではありません。

この章は、筋トレの工夫より先に確認する安全チェックです。

下のサインが当てはまるなら、いったん筋トレは中止して、早めに医療機関へ相談してください。

悪化サインと受診目安はこちら(ID7)

しびれが増える/範囲が広がる/力が入りにくいなど

「しびれがある」だけで即アウトとは限りません。ただし、増える/広がる/力が入りにくいのどれかがはっきり出たら、筋トレは中止して受診・相談を優先してください。

とくに注意したい変化は次の通りです。

  1. しびれの範囲が、お尻→太もも→すね→足先のように下へ伸びる
  2. しびれの強さが上がり、感覚がにぶい時間が長くなる
  3. 片脚だけ、明らかに力が入りにくい(つまずく、足が上がりにくい)

臨床では、ここを「疲れているだけ」と見過ごして悪化する人がいました。

逆に、この段階で止められた人は、結果的に戻りも早い傾向があります。

家でできる確認としては、次の2つで十分です。

  1. つま先立ち(ふくらはぎ)と、かかと歩き(すね)で左右差が出ないか
  2. 階段や歩行で、片脚だけ引っかかる感じが増えていないか

⚠️左右差がはっきりする、日ごとに悪くなる感覚がある場合は、筋トレで粘らず、(ID7)の受診目安へ進んでください。

排尿・排便の異常、麻痺など危険サイン

次のようなサインは、様子見より先に相談が必要です。

  • 排尿・排便の感覚がいつもと違い、コントロールしにくい
  • 股のあたりの感覚が以前よりにぶい
  • 急に強い麻痺が出た、歩けないほど力が入らない

当てはまる場合は、筋トレは中止して、(ID7)の案内に沿って早めに行動してください。

避けるべき動作|悪化しやすいのは「種目名」より負荷のかかり方

避けるべき動作を示すブラック太郎

腰椎ヘルニアが気になるときは、「スクワットがダメ」「デッドリフトが危険」のように、種目名で危険・危険じゃないのレッテルを貼ると失敗が増えます。

実際の現場では、悪化しやすいポイントは種目名よりも、腰を支点にして重さを支えるような負荷のかけ方でした。

このページでは、ヘルニアが疑わしい症状がある人がまず外すべきNG動作を、次の3つに絞って整理します。

  1. 前屈+荷重
  2. 丸めた姿勢の高負荷
  3. 痛みやしびれが出ているのに続ける

前屈+荷重(曲げた状態で重い負荷を持つ)

前屈+荷重は、腰が曲がった状態のまま重い負荷を支えるパターンです。ジムだけでなく、床の物を勢いで拾う動きでも起きます。

とくに危ないのは、次のような状況です。

  • 背中が丸まり、重さが体から遠い位置にある
  • 途中で背中とお腹の力が抜け、最後だけ腰を反らせて引き上げる
  • フォームが崩れても止められない負荷になっている

私の現場でも「床から持ち上げる瞬間、腰に電気が走る」と話す人は、この形が多かった印象です。

痛みが出る日は、「腰を曲げたまま重い物を持つ動作」をできるだけ減らすだけでも、次の日が楽になることがあります。

フォームや動作の作り直しまでやりたくなったら、詳しいやり方は、種目別の記事で確認してください。

腰を丸めにくい体の折り方(ヒップヒンジ)→リンク

段階的な重量の戻し方の詳しい手順→別記事リンク

丸めた姿勢の高負荷(背中が丸いまま押す/引く)

丸めた姿勢の高負荷は、背中が丸いまま押す・引く・耐えるパターンです。

この形だと呼吸が浅くなりやすく、結果としてお腹と体幹の支えが抜けます。

起こりやすい動作不良はシンプルです。

  • セットの後半で背中が丸まり、肩がすくむ
  • 反復のたびに、背中がさらに丸くなる
  • 体を固めたつもりなのに、腰まわりが先に疲れる

クライアントの指導でも、重量を上げた瞬間に、背中を丸めたまま無理やり持ち上げようとする人が多いです。

このパターンは、頑張った感覚のわりに腰の負担が増えやすいので、最優先で止める価値があります。

今日の修正ポイント

当日の修正は、難しいことをしなくて大丈夫です。

重量を落として、回数より姿勢が崩れない重量と種目を優先して反復してください。

痛みやしびれが出ても続ける(その場で止められない負荷設定)

痛みやしびれが出ても続けるのは、ヘルニア疑いの場面で一番事故につながります。

理由は単純で、体が出している危険サインを無視するからです。

とくに次のような状態は、いったん中止の判断が必要になります。

  • セット中にしびれが強くなる、範囲が広がる
  • 終わったあとに脚の違和感が残り、歩きがぎこちない
  • 「あと1回だけ」を繰り返して、やめ時を逃す

現場では「今日だけ気合でやった」が、翌日にしびれを強める引き金になる場面を何度も見ました。

筋トレを続けたい人ほど、止める判断を早くするほうが、長い目で得になります。

「悪化サインかもしれない」と感じたら、ここで粘らずに(ID7)へ進んでください。

再開の基準|「いつからOK?」は日数ではなく、3つの条件で決める

「何日休めば再開できますか?」は、ヘルニアが気になる人ほど聞きたくなる疑問です。

ただ、臨床の現場では、日数で決め打ちして負荷を急に戻すと、ぶり返しのきっかけになりやすい印象があります。

再開の判断は、次の3つの条件だけで十分まとまります。

  • 痛みスケールと変化
  • 日常動作の可否
  • 悪化サインが増えていない

※段階的=腹圧→低負荷→可動域→元のメニューへ、の順です(詳細は後半)。

痛みスケール(0〜10)と変化で判断する

まずは、痛みを0〜10で自己チェックしてください。

0は痛みなし、10は耐えがたい痛みとして、ざっくりで構いません。

大事なのは数字そのものより、変化です。

次のどれに当てはまるかで、今日の方針が決まります。

  • よくなる
    • 数字が下がる/痛む場面が減る
  • 横ばい
    • 数字は同じ/ただし範囲は広がらない
  • 悪くなる
    • 数字が上がる/痛む範囲が広がる/しびれが強くなる

現場でうまくいった人は、翌朝に悪化していないかを何より重視していました。

逆に、その場は平気でも翌朝に数字が上がるなら、負荷を上げるのが早すぎるサインになりやすいです。

休む目安を日数で整理したい人は、ここで迷わずリンクへ飛んでください。

→「腰痛で筋トレは何日休む?」(ID9)

日常動作の可否(寝返り・立ち上がり・歩行など)

筋トレを再開する前に、まずは日常動作が安定しているかを見ます。難しいテストは不要で、次の3つだけで十分です。

  • 寝返り
    • ひねった瞬間に痛みが増えない
  • 立ち上がり
    • 腰を固めて勢いで立たなくても動ける
  • 歩行
    • 3〜5分ほど歩いて、痛みやしびれが増えない

ポイントは「できるか」よりも「やった後に悪化しないか」です。

たとえば立ち上がり自体はできても、その後に脚の違和感が強くなるなら、再開は早い可能性があります。

この3つが安定してきたら、次は低負荷から戻す段階へ進みます。

悪化サインが増えていない(しびれ含む)

しびれがある人は、再開前にここを必ず押さえてください。

「ある/ない」ではなく、増えていないかどうかが判断軸になります。

チェックはシンプルです。

  • しびれの範囲が広がっていない
  • しびれの強さが上がっていない
  • 力が入りにくい感じが増えていない

警告

「昨日よりしびれの範囲が伸びる」「急に力が入りにくい」「つま先立ちが片脚だけできない」「歩くとつまずきやすい」などが出るなら、筋トレを無理に続けないほうが安全です。

いったん筋トレは止めて、受診・相談の判断を先にしてください(何科に行くか迷う人はID7へ)。

3つの条件がそろったら、次の章で再開の具体的な順序を確認します。

再開の順序|腹圧→低負荷→可動域→元のメニューへ(ぶり返し予防)

腰痛から筋トレの再開で失敗しやすいのは、「痛みが少し引いたから、いきなり元の重量に戻す」パターンです。

特に多いのは、初日に頑張って「その場は平気」でも、翌朝に痛みスケールが上がるパターンです。

翌朝に痛みが増えたら、負荷か可動域を1段階戻せる人ほど、ぶり返しが減って結果的に復帰が早くなりやすいです。

ヘルニアが気になる状態では、筋トレは気合より順序が結果を決めます。

再開の流れ:腹圧→低負荷→可動域→元のメニューへ(4ステップ)

ステップ1|腹圧は「腰を守る土台」

腹圧は、腰を直接固めるというより、体幹を内側から支えて腰に集中しにくくする土台です。

ヘルニアが疑わしい状態だと、怖さから呼吸が浅くなり、体幹の支えが抜けやすくなります。

現場でも「フォームは意識しているのに腰が不安定」という人は、腹圧が抜けたまま動いているケースが多かったです。

 今すぐできること

ここで覚えることは1つだけで十分です。
息を止めずに、吸う息でお腹(おへそ周り)を前・横に少し膨らませる感覚を作る(ベルトを押し返すイメージ)。

細かいやり方や使い分けは、別ページにまとめます(ID11:腹圧(IAP)の全体像と使い分け)。

ステップ2|低負荷で痛みが増えない動きを作る

次は、痛みが増えない範囲で「動き」を戻します。ここでの目的は筋力アップではなく、安全なフォームを体に覚えさせることです。

コツは2つに絞ります。

  • その場で止められる負荷にする(追い込まない)
  • 翌朝に悪化していないかを確認して進める

現場でうまくいく人は、最初の1週間は痛みやしびれをぶり返さずにトレーニングを再開できる強度で止めています。

逆に、初日から頑張る人ほど、翌朝にぶり返してやり直しになります。

具体的なメニューは自宅とジムで分けたほうが迷いません。

→自宅の安全メニュー(ID12)
→ジム運用(ID19)

ステップ3|可動域を戻す(欲張らない)

低負荷で動きが安定したら、次は可動域を戻します。

ヘルニアが疑わしい時期は、動きを深く(可動域を大きく)するほど、途中で腰が丸まる/反るなど、腰の形が崩れやすくなります。

まずは「浅い・狭い範囲でブレない」→次に「少し深く・大きく」の順で可動域を戻します。

判断の基準はシンプルです。

  • 反復してもフォームが崩れない
  • 動作中にしびれや痛みが増えない
  • 翌朝に悪化していない

注意

上記の3つが守れないなら、可動域を増やすにはまだ早いサインです。
欲張らず、前の段階に戻して整え直してください。

ステップ4|元のメニューの負荷へ戻す

最後に、痛みが出る前に行っていた「元のメニュー(可動域・負荷・回数・頻度)」へ戻します。ただし「元の重量に即復帰」ではありません。

重要ポイント

負荷を上げるのは、動きが安定してから。

同じ種目・同じ可動域で数回のトレーニングを行っても、痛みスケールやしびれが悪化しない状態が続いていること。

もし途中でしびれが増える、力が入りにくいなどが出たら、(ID7)に戻って安全チェックを優先してください。

よくある質問

Q&Aの看板を持つブラック太郎

ここでは「腰痛・ヘルニア・筋トレ」でよく出る質問だけを、短く整理します。

結論だけ先に押さえて、詳しいやり方は該当ページへ誘導します。

Q、ヘルニアでもデッドリフトはしていい?

回答:悪化サインがなく、腰に負担が集中しないフォームと負荷なら可能です。

デッドリフトは種目そのものが危険というより、前屈+荷重になった瞬間に腰へ負担が寄ります。

ヘルニアが疑わしい時期に「背中が丸いまま引く」「反動で引く」「フォームが崩れても止められない負荷」は悪化のきっかけになります。

一方で、負荷を落として可動域を管理し、フォームを作り直せるなら選択肢に残ります。

→具体的なフォームと段階的な戻し方はこちら(ID21:デッドリフトの具体的なフォーム)

Q、腹圧はドローインとブレーシングどっち?

回答:目的で使い分けます(どちらか一択ではありません)。

ドローイン(お腹を軽く引き込む練習)は「腹部のコントロールを取り戻す練習」に向きやすく、ブレーシング(お腹を360°ふくらませて支える意識)は「動作中に体幹を安定させる」に向きやすいです。

ヘルニアが気になる人は、怖さで呼吸が浅くなり、腹圧が抜けたまま動いてしまうケースが多いです。

そのため、いきなり強く固めるより、まずは呼吸が止まらない腹圧を作れる形を優先します。

→体系や使い分け、手順は別ページで(ID11:腹圧(IAP)の全体像と使い分け)

Q、前屈で痛いのが続く。坐骨神経痛?

回答:坐骨神経痛っぽく見えるだけのケースもあるので、症状の出方で振り分けます。

坐骨神経痛は病名というより、坐骨神経の走行に沿って出る痛み・しびれの総称として使われることが多いです。

そのため、前屈で痛い=坐骨神経痛、とは決めつけられません。

「腰由来か/お尻由来か」を整理したい場合は、ここで振り分けを先にしてください(ID6:坐骨神経痛の振り分け)。

次に読むべき記事

ここまで読んで、「自分はどこから手をつけるべきか」が見えてきたはずです。

ヘルニアが気になる状態は、全部を一気にやろうとすると混乱しやすいので、次は悩みに合わせて読む順番だけ決めてください。

まず全体像から整理したい人→ID1(全体の教科書)

やってはいけない動作を一気に総点検したい人→ID2(親ページ)

しびれが増える/力が入りにくい/不安が強い人→ID7(受診目安と何科)

休む日数や再開の判断で迷っている人→ID9(痛みスケールで休む基準)

腹圧が抜けて腰が不安定に感じる人→ID11(腹圧の全体像と使い分け)

自宅で安全に戻したい人→ID12(無理なく続けるメニュー)

ジムで再開したい人→ID19(重量設定と運用の考え方)

デッドリフトに戻したい人→ID21(フォームと段階的な戻し方)

参考文献

  1. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians(2017)/Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA; Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28192789/
  2. The effect of exercise in the treatment of lumbar disc herniation and possible mechanism: A systematic review and meta-analysis(2025)/Arslan S, Ülger Ö/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40128486/
  3. Surgical vs nonoperative treatment for lumbar disk herniation: the Spine Patient Outcomes Research Trial (SPORT): a randomized trial(2006)/Weinstein JN, Tosteson TD, Lurie JD, et al./https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17119140/
  4. Diagnosis and Treatment of Lumbar Disc Herniation with Radiculopathy: Clinical Guidelines for Multidisciplinary Spine Care(2012)/North American Spine Society (NASS)/https://www.spine.org/Portals/0/assets/downloads/ResearchClinicalCare/Guidelines/LumbarDiscHerniation.pdf
  5. Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management(2016・最終更新2020)/National Institute for Health and Care Excellence (NICE)/https://www.nice.org.uk/guidance/ng59
  6. Slipped disc(最終レビュー2024)/NHS/https://www.nhs.uk/conditions/slipped-disc/
  7. Cauda Equina Syndrome Assessment and Initial Management Pathway(2024)/NHS Scotland (Right Decisions)/https://rightdecisions.scot.nhs.uk/media/2392/2024-08-21-cauda-equina-syndrome-assessment-and-initial-management-final.pdf
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この記事を書いた人

【資格】・柔道整復師(国家資格)・鍼灸師(国家資格)・NASM-PES(米国資格)

整形外科クリニックで、腰の不調・膝の不調・肩こりなどで悩む方の運動指導や、日常動作のサポートに携わっています。
クリニック、整骨院、パーソナルジムで経験を積み、痛みがある状態でも筋トレを続けるための「やりすぎない設計」を得意としています。
姿勢や動きのクセを整えながら、無理なく継続できる方法を提案します。
これまで多数のクライアントをサポートしてきました。
私自身も過去にぎっくり腰を経験しましたが、継続的な筋トレのおかげでここ10年は再発していません。
臨床14年以上の経験をもとに、「運動で人生が変わる」をテーマに発信します。

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