この記事は、中臀筋の働きを再現できる手順で取り戻すための技術書です。
メニューの組み方・週の頻度・他種目との組み合わせは、「腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組み」で確認してください。
- 歩行中に腰が重くなる原因が「中臀筋」にある理由
- 片足立ちチェックで骨盤のぐらつきを自分で確認する方法
- クラムシェル・ヒップアブダクション・立位バランス支持のフォームと回数目安
- 腰の横に効いてしまうときの修正方法
- 歩行中の腰痛は腰だけが原因ではなく、「中臀筋による片脚安定の崩れ」が関係している場合があります
- まず片足立ちチェックで骨盤がぐらつくかを確認し、崩れがあればクラムシェルから始めます
- フォームが崩れない範囲で続けることが、腰への負担を減らす一助になる場合があります
監修・執筆:ブラック太郎
柔道整復師・鍼灸師(国家資格)、NASM-PES(米国資格)保有。
整形外科クリニック・パーソナルトレーニングジム・整骨院での臨床経験14年以上。
腰痛を抱えながら運動を続けるクライアントを数多くサポートしてきた。
歩くと腰が重い・横が張る人は、中臀筋がうまく使えていない可能性があります。
この記事では、片足立ちのチェックと、自宅でできる中臀筋の筋トレをレベル別にまとめました。
メニューの組み方は「腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組み」に整理しているので、全体像はそちらで確認してください。
この記事を読む前にご確認ください
この記事は、歩行中のすべての腰痛に対応するものではありません。
「しばらく歩くと腰や脚が痛くなり、少し休むと楽になってまた歩ける」という症状(間欠性跛行)は、脊柱管狭窄症などが関係している場合があります。
この症状が当てはまる場合は、筋トレを始める前に医療機関での確認をお勧めします。
歩くと腰が痛い・重い人は「中臀筋」が関係している可能性があります

長く歩くほど、腰の横がじわっと張ってくる、重くてだるくなる……。
そんな「歩行中の腰痛」にお悩みではありませんか?
マッサージをしてその場は楽になっても、また歩くと腰が痛くなる場合、実は腰そのものではなく、お尻の横にある「中臀筋(ちゅうでんきん・中殿筋)」の働きが悪くなっている可能性があります。
歩く動作は、「片脚で支える時間」の連続です。中臀筋がうまく働かないと、片脚になった瞬間に骨盤がぐらつくため、体が転ばないように腰の筋肉が代わりにがんばりすぎてしまうのです。
私は柔道整復師・鍼灸師・NASM-PESとして、整形外科クリニックやパーソナルジム、整骨院で14年以上、腰の悩みと運動指導に関わってきました。
この記事では、臨床現場で多くの腰痛をサポートしてきた視点から、歩行中の骨盤を水平に保つ「片脚安定」の重要性を分かりやすく解説します。
さらに、自宅で安全にできるレベル別の中臀筋の筋トレと、効果を引き出すための適切な回数やフォームのコツもまとめました。
「腰痛でつらい」「歩くのがつらい」「また痛くなるのが心配」という気持ちを減らすために、まずは簡単なセルフチェックから始めましょう。
中臀筋の役割=片脚で骨盤を水平に保つ支えです
※この記事では、片足立ちのとき「立っている足=軸足」「浮かせた足=上げた足」と呼びます。
中臀筋の役割は、片足になったときに骨盤が傾くのを抑えることです。中臀筋がうまく働かないと、上げた足側の腰骨が下がりやすくなります。
反対に中臀筋が働けば、腰骨の高さがそろい骨盤が安定しやすくなります。
骨盤が安定すると上半身のブレが減り、足も前へ出しやすくなるわけです。
逆に中臀筋がうまく使えないと、骨盤が傾きやすくなり、腰・太もも・ふくらはぎが安定役を代わりに担当してしまい、腰の負担や疲れが増えやすくなります。
2019年にBMCMusculoskeletalDisordersに掲載された24本の研究をまとめた調査では、腰痛のある人ほど中臀筋の筋力が低下しやすく、筋肉の圧痛点も多い傾向があると報告されています(Sadleretal.,2019)。
「腰が痛いから腰の筋肉が問題」ではなく、お尻の筋肉の状態が腰に関係しているケースがあることは、複数の研究でも示されています。
お尻が働かないと、腰の横が張りやすくなります
中臀筋がうまく働かない状態だと、歩行中に骨盤が横へぐらつきやすくなります。
すると体は転ばないように、腰の横を支える深い筋肉(腰方形筋・脊柱起立筋など)で姿勢を支えようとします。
この代償動作が続くと、歩くたびに腰の横が張る、だるい、重い、と感じやすくなります。
「痛い場所=原因の場所」ではないケースが出てくる理由がここにあるわけです。
臨床現場でも、こんな訴えは珍しくありません。
- 歩くと腰の横が張ってくる
- 片脚で立つと不安定で、骨盤が落ちる感じがする
- 立っているだけでも、左右どちらかの腰が疲れる
こういうクライアントさんをチェックすると、片足で支える瞬間に骨盤が横に逃げている、もしくは落ちていることがあります。
とくに多いのは、片脚になった瞬間に「骨盤が落ちる→上体が同じ側へ寄る」がセットで出るパターンです。
(参考:専門的には、骨盤が落ちる状態をトレンデレンブルグ歩行、上体が倒れる状態をデュシェンヌ歩行と呼びます)
実際に、慢性腰痛のある150名と健康な対照群を比較した研究では、片脚で立ったときに骨盤が落ちる状態(トレンデレンブルグ徴候)は、腰痛がある人のほうが有意に多く見られたと報告されています(Cooperetal.,2016)。
この観察は、臨床での印象とも一致しています。
この形だと、本人はまっすぐ歩いているつもりでも、腰の横が先に疲れやすくなります。
そして本人は「腰が弱い」と思っているのに、実際は、中臀筋がうまく使えていないことが関係しているケースも多いです。
もちろん、すべてが中臀筋だけで説明できるわけではありません。
ただ、歩行×片脚安定×骨盤ぐらつくがそろうなら、中臀筋の働きを取り戻す価値は高いです。
中臀筋が弱っているサイン(チェック)

歩行中に腰がつらい人は、中臀筋が働いていないサインが出ていないかを確認します。
難しいテストは不要で、片足立ちだけでも傾向が見えます。
このチェックは診断ではありません。
ただ、片脚支持で骨盤が安定しないなら、歩行中に腰が代わりにがんばっている可能性が高まります。
安全のためにご確認ください
壁の近くで行ってください。
痛みが強くなる、しびれが増える、ふらつきが怖い場合は中止してください。
片足立ちでフラつく・骨盤が横に逃げる
中臀筋が弱っているかどうかを確認するうえで、片足立ちは最もシンプルなチェックです。
道具も場所も不要で、鏡と壁さえあれば今日から確認できます。
まずは鏡で確認!骨盤ぐらつきチェックのやり方
準備
- 鏡の前に立ち、壁に手が届く位置に移動します
- 足は腰幅、つま先は正面に向けます
- 両手を骨盤の左右(腰骨の出っ張り付近)に軽く当てます
やり方
- 片足を床から少しだけ浮かせます(膝を少し曲げてOK)
- 浮かせる足は、床から2〜3cm浮かせるだけで十分です(膝を前に出しすぎないようにします)
- 10秒キープします(左右行います)
できればスマホで正面から10秒だけ撮ると、骨盤の高さのズレが自分でも分かりやすいです。
見るポイントは3つだけ
①上体が傾く(体が横に倒れる)
- 片足立ちになった瞬間、胸や頭が軸足(立っている足)のほうへ倒れる
- 腰の横が張りやすい/腰に力が入りやすい
②骨盤が落ちる(骨盤の高さがズレる)
- 上げた足側の骨盤がストンと下がる
- 鏡で見ると、左右の腰骨の高さがズレて見える
- 手を当てていると、下がりがさらに分かりやすい
③足元が崩れる(足裏の3点で踏めない)
- 軸足の足裏が「かかと・親指のつけ根・小指のつけ根」で踏めず、内側に体重が寄る
- 軸足の膝が内側へ入りやすい
- 足元の崩れ→膝→股関節→骨盤へとズレが連鎖しやすい
チェック結果のまとめ方
3つのうち1つでもはっきり出るなら、歩行中の「片脚安定」が崩れている目安になります。
なお、骨盤の動揺は中臀筋以外の要因(バランス感覚・足元の安定・股関節の柔軟性など)でも出ることがあります。
「チェックで崩れが出た=中臀筋だけが原因」ではない点にご注意ください。
次にやるべき順番(どれから直すか)は「腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組み」で整理しているので、そこで全体の進め方を確認してください。
自宅でできる中臀筋の筋トレ【レベル別】

中臀筋は「歩行中の片脚安定」を作る筋肉なので、筋トレも骨盤が動かないフォームを優先します。
道具不要の自重で行えて、フォームを直しやすい種目をレベル別に3つまとめました。
臨床でも、腰に痛みがある/動くのが怖いクライアントにまず入れるのはこの順番が多いです。
理由はシンプルで、骨盤を固定したままお尻の横に力が入る感覚を作りやすいからです。
※メニューの組み方(週に何回、どれを組み合わせるか)は「腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組み」にまとめています。
ここでは「やり方の技術」だけに絞ります。
2023年に発表された複数の研究をまとめた調査では、中臀筋を含む股関節周囲へのアプローチが腰痛の改善に有効である可能性が示されています(Ceballos-Laitaetal.,2023)。
体幹だけでなく股関節からアプローチすることが、腰痛改善の一助になる場合があります。
骨盤の横ブレを止める土台を作る→Lv.1クラムシェル
歩行で骨盤がぐらつく人は、片足の場面で中臀筋が入りにくいことがあります。
最初は「横向きに寝ながら膝を開く運動」から始めます(クラムシェル)。
腰を反らせにくく、骨盤を固定したまま中臀筋に刺激を入れやすいので、最初の一手に向きます。
種目名Lv.1:クラムシェル(横向きに寝ながら膝を開く)
フォーム(骨盤固定が最優先)
- 横向きに寝て、股関節と膝を軽く曲げます(目安:股関節90度、膝90度)
- かかと同士をそろえる
- 上の手で地面を押さえて、体を安定させます
- かかとは合わせたまま、上の膝だけをゆっくり開きます
- 可動域は小さくてOKです。お尻の横(骨盤の外側)に力が入る感覚があればOKです
- 膝を開いてゆっくり戻します。息は止めないで行います
目安は「お尻の横がじわっと熱くなる」「腰の横ではなく骨盤の外側に入る」です。
クラムシェルは、大腿筋膜張筋(太もも外側の筋肉)の活動を抑えながら中臀筋を選択的に使いやすい種目として、複数の筋電図(EMG)研究で確認されています(Selkowitzetal.,2013)。
腰が痛い時期でも骨盤を安定させたまま行いやすいのは、この選択性の高さも理由のひとつです。
よくあるNGと修正方法
- 骨盤が後ろへ倒れる(体がゴロンと仰向け気味になる)
- 修正方法:膝の開く幅を半分にします。
- 修正方法:骨盤を押さえる手の圧を少し強めてください。
- 腰をひねって膝を開く(腰の横が先に張る)
- 修正方法:動きをゆっくりにして、骨盤が開かない範囲で膝を開きます。
回数(目安)左右8〜12回×1〜3セット
中止の目安
腰の痛みが増える、しびれが出る、腰の横だけが強く張る場合は回数よりフォームを優先し、可動域を小さくします。
中臀筋に狙って入れる感覚を濃くする→Lv.2ヒップアブダクション
クラムシェルで中臀筋に力が入る感覚がつかめたら、次は脚を伸ばした状態で中臀筋に負荷をかけます。
脚を伸ばした横向き脚上げはクラムシェルより中臀筋への刺激が強まるため、感覚ができてから取り組むと効果が出やすいです。
ただし上げすぎると骨盤が動いて腰の筋肉を使ってしまうので、高さより安定がポイントです。
種目名Lv.2:ヒップアブダクション(横向き脚上げ・サイドレッグレイズ)
フォーム(上げすぎない)
- 横向きに寝て、下の脚は軽く曲げます(目安:股関節90度、膝:90度)
- 上の脚はまっすぐ伸ばし、足部は地面と並行
- 上の肩・大転子(太ももの外側の出っ張り)・外くるぶしが一直線
- 骨盤を上下に重ね、腰を反らない姿勢を作ります
- 上の脚をゆっくり持ち上げます。目安は床から20〜30cmくらいで十分です
- 1秒止めて、お尻の横に効いている感覚を確認します
- ゆっくり下ろし、床に落とさずにこの動作を繰り返します
目安は「脚を高く上げなくても、お尻の横に効く」「骨盤を開かない」です。
よくあるNGと修正方法
- 脚を上げすぎて骨盤が一緒に動く(骨盤が開く)
- 修正方法:上げる高さを半分にします。
- 修正方法:止める時間を1秒だけ入れると安定しやすいです。
- 脚が前に流れて、大腿筋膜張筋(太もも外側の筋肉)ばかりが疲れる
- 修正方法:上の脚を「体より少し後ろ」に置いた位置から上げます。
- 修正方法:つま先を少し下へ向けると入りやすくなります。
回数(目安)左右6〜10回×1〜2セット回数や上げる高さではなく正しいフォームで行います
歩行に直結する片脚安定を作る→Lv.3立位バランス支持
歩くときは、左右どちらかの足だけで体を支える時間が何度も出てきます。
寝た姿勢で中臀筋に入るようになったら、立位で骨盤のぐらつきを減らす練習へ進みます。
種目名Lv.3:立位バランス支持(壁サポート片脚立ち)
フォーム(壁サポートで安全に)
- 壁の横に立ち、指先が軽く触れられる距離にします
- 足は腰幅で立ち、体重を片脚へゆっくり移します
- 反対の足は床から少し浮かせます(高く上げません)
- 骨盤の左右の高さがそろう感覚を作ります。鏡があると確認しやすいです
- 軸足(立っている足)の膝は軽くゆるめ、足裏は「かかと・親指のつけ根・小指のつけ根」で踏みます
- 息を吐きながら下腹を薄く保つ感覚で行うと、腰への負担を軽減しやすいです(腹圧の使い方の詳細はすべての筋トレ種目の土台になる腹圧(IAP)の正しい習得法すべての筋トレ種目の土台になる腹圧(IAP)の正しい習得法で確認してください)
- 息を止めずにキープします
- 慣れたら壁に触れる指先の力を少しずつ弱めます
目的は筋肉を追い込むことではなく、歩行で崩れない片脚安定を作ることです。
よくあるNGと修正方法
- 上体が軸足(立っている足)側へ倒れる(肩が傾く)
- 修正方法:壁に触れる指先を少し使い、まず骨盤の高さを整えます。
- 修正方法:倒れない範囲で10秒に短縮してOKです。
- 上げた足側の骨盤が落ちる(腰骨の高さがズレる)
- 修正方法:片脚に乗る前に、いったん両足で骨盤を水平にします。
- 修正方法:その状態のまま体重移動すると落ちにくくなります。
- 足指が力みすぎて、足元が不安定になる
- 修正方法:指を握り込まず、足裏の3点で静かに踏みます。
- 修正方法:膝を少しゆるめると安定しやすいです。
回数(目安)左右10〜20秒キープ×2〜3回骨盤が傾く・上体が倒れるなど崩れが出たら、その時点で止めます
日常生活での意識:歩くときに骨盤を落とさない感覚づくり

中臀筋トレをしても、日常の歩き方がいつも通りだと、骨盤のぐらつきが戻りやすいです。
逆に、歩くときに「片脚になっても骨盤を落とさない」という意識を置くだけで、お尻が働きやすくなる人もいます。
ここで扱うのはフォームの深掘りではありません。
トレーニングで作った感覚を歩行中に活かすための、意識の置き方だけに絞ります。
片脚になった瞬間に骨盤を落とさない
クラムシェルやヒップアブダクションで「お尻の横に力が入る感覚」がつかめてきたら、歩きながらその感覚を思い出してみてください。
意識する点は1つだけです。
片脚になった瞬間、上げた足側の骨盤を「落とさない」。
骨盤の左右の高さをそろえようとするだけで、中臀筋が働きやすくなります。
最初は意識しないとできないことが多いですが、繰り返すうちに自然になっていきます。
感覚がついてきたサイン
- 歩いていて腰の横の張りが出にくくなってきた
- 片脚になっても上半身が左右に揺れにくくなってきた
- 足運びが軽くなる感じがする
このパートは「意識の置き方」までです。
トレーニングの順番や組み方は、「腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組み」で全体像を確認してください。
中臀筋の筋トレがうまくいかないときの対処

中臀筋トレを始めると、腰の横・もも前・もも裏・ふくらはぎが先に疲れることがあります。
この状態で続けると、中臀筋の代わりに腰で踏ん張るクセに戻りやすくなります。
ここでは、現場でも多いよくある悩みを3つに分けました。
当てはまるものがあれば、該当記事へ移動して先に整えてください。
中臀筋の筋トレでうまく入らない人は、ヒップリフトで「お尻に力が入る感覚」を作る
中臀筋トレをしても、腰の横やもも前ばかりが疲れてしまう人がいます。
この場合は、中臀筋を頑張る前に、いったんヒップリフトで「お尻に力が入る感覚」を作ったほうが早いです。
ただ、ヒップリフトで次の状態になっているなら、お尻に感覚を呼び覚ます目的がズレています。
- もも裏ばかりがつる
- お尻に効かせたいのに、腰や太ももが先に効く
このまま中臀筋トレの種目を増やしても、狙いが腰や太ももに寄りやすいです。
まずは、ヒップリフトでつる原因とフォームの直し方を整えてから、中臀筋トレに戻ってください。
👉お尻に効かないヒップリフトを改善するかかと位置と骨盤の使い方
脚のしびれ・坐骨神経痛っぽい不安がある人へ
歩くと脚がしびれる。
お尻から脚にかけて違和感が出て、坐骨神経痛(しびれ)が悪化しそうで心配。
心配な場合は、回数を増やす前に「やると悪化しやすい動き」を知っておくほうが安心です。
しびれが強い、増える、力が入りにくいなら、運動は中止してください。
座りっぱなしで腰がつらい人へ
座っている時間が長いと、立って歩き出すだけで腰が重くなります。
このタイプは、歩行の問題より前に「座り方と環境」で腰が疲れていることがあります。
中臀筋トレを続けやすくするためにも、座りっぱなしの負担を先に減らしましょう。
日常で変えられるポイントは、別記事にまとめています。
よくある質問(Q&A)

中臀筋の筋トレはシンプルですが、「回数」「頻度」「効く場所」「痛み・しびれ」で疑問が残りやすいです。
ここでは迷いやすい点だけ短くまとめます。
回数はどれくらいが目安ですか?
A:骨盤が動かない範囲で、8〜12回(左右)を目安にしてください。
理由は、回数を増やすほどフォームが崩れて腰で代償しやすいからです。
クラムシェルは8〜12回、ヒップアブダクションは6〜10回、立位は10〜20秒を目安にし、崩れが出たら回数よりフォームを優先します。
週の頻度・セット数の組み合わせ方は、腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組みで整理しています。
まずは1日おき・各種目1〜2セットを目安に始めてみてください。
毎日やっても大丈夫ですか?
A:毎日でも構いませんが、基本は「疲れが残らない範囲」で調整してください。
理由は、中臀筋が入りにくい人ほど腰や太ももが先に疲れやすく、無理に続けると狙いがズレやすいからです。
お尻ではなく腰の横に効きます。続けてOKですか?
A:いったん負荷を下げて、フォームを修正してください。
理由は、腰の横に効いている時点で骨盤が動き、腰で支える割合が増えている可能性があるからです。
可動域を小さくし、動きをゆっくりにして、骨盤が開かない範囲で行います。
それでも腰の横が強く張るなら、その日は中止します。
片足立ちが怖くてフラつきます。どうしたらいいですか?
A:壁サポートで10秒から始めてください。
理由は、怖さがある状態で頑張ると骨盤が崩れて腰の負担が増えやすいからです。
指先が壁に触れる距離で行い、骨盤の高さがそろう範囲だけキープします。
脚のしびれがある時も中臀筋トレをしていいですか?
A:しびれが増えるなら中止して、先に注意点を確認してください。
理由は、しびれは安全確認の優先順位が高く、回数や種目を増やす前に「やると悪化しやすい動き」を整理したほうが安全だからです。
まとめ
歩行中の腰痛が気になる人は、腰だけを見ていると原因が分かりづらくなります。
片脚で支える瞬間に骨盤がぐらつくなら、中臀筋の働きが悪くなっているサインかもしれません。
中臀筋を鍛えて骨盤の安定を取り戻すことが、歩行時の腰痛予防にもつながる場合があります。
この記事では、片足立ちのチェックでサインを確認し、
- クラムシェル
- ヒップアブダクション
- 立位バランス支持
の順で、骨盤の横ブレを減らすやり方をまとめました。
次は「どれを、どの頻度で、どう組むか」を決める段階です。
中臀筋トレを含めた全体の進め方は、腰だけ鍛えても改善しない腰痛に関係する下半身の仕組みで整理しています。
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参考文献
- Effectiveness of gluteal control training in chronic low back pain patients with functional leg length inequality(2024)/Wen-Hung Huang, Chun-Kai Tang, Yi-Fen Shih/https://www.nature.com/articles/s41598-024-74348-x ※本記事での参照意図:中臀筋(殿筋)のコントロールトレーニングが慢性腰痛に与える効果の根拠として参照。
- The effectiveness of hip interventions in patients with low-back pain: A systematic review and meta-analysis(2023)/Luis Ceballos-Laita, Elena Estébanez-de-Miguel, Jose Jesús Jiménez-Rejano, Elena Bueno-Gracia, Sandra Jiménez-del-Barrio/https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10120300/ ※本記事での参照意図:股関節への介入(中臀筋トレを含む)が腰痛に有効である根拠として参照。
- Core Stability and Hip Exercises Improve Physical Function and Activity in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial(2020)/Beomryong Kim, Jongeun Yim/https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjem/251/3/251_193/_html/-char/en ※本記事での参照意図:コア安定と股関節エクササイズの組み合わせが非特異的腰痛の身体機能を改善する根拠として参照。
- Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management(2016)/National Institute for Health and Care Excellence (NICE)/https://www.nice.org.uk/guidance/ng59 ※本記事での参照意図:運動療法が腰痛管理において推奨される介入であるというガイドラインの根拠として参照。
- Gluteus medius muscle function in people with and without low back pain: a systematic review(2019)/Sadler S, Cassidy S, Peterson B, Spink M, Chuter V/https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6805550/ ※本記事での参照意図:腰痛のある人における中臀筋の筋力低下・圧痛傾向の根拠として参照(24研究・1,088名のLBP参加者を統合)。
- Prevalence of gluteus medius weakness in people with chronic low back pain compared to healthy controls(2016)/Cooper NA, Scavo KM, Strickland KJ, Tipayamongkol N, Nicholson JD, Bewyer DC, Sluka KA/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26006705/ ※本記事での参照意図:慢性腰痛患者においてトレンデレンブルグ徴候(片脚立ちで骨盤が落ちる状態)が健康な対照群より有意に多いという根拠として参照。
- The Influence of Varying Hip Angle and Pelvis Position on Muscle Recruitment Patterns of the Hip Abductor Muscles During the Clam Exercise(2013)/Brent S. Selkowitz, George J. Beneck, Christopher M. Powers/https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2013.4004 ※本記事での参照意図:クラムシェルが大腿筋膜張筋の活動を抑えながら中臀筋を選択的に活性化しやすい種目であるという根拠として参照。
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