腰が痛いけれど
「筋トレは続けた方がいいのか、それとも今すぐやめるべきか…」
と迷っていませんか。
間違った種目やフォームを選ぶと、腰痛はあっという間に悪化してしまいます。
この記事では、柔道整復師・鍼灸師としてパーソナルジムや整形外科クリニックで14年間、腰痛クライアントをみてきた筆者が
「腰痛のときにやってはいけない筋トレ」
と、安全にできる代替トレーニングを徹底解説します。
今の症状にあわせたやっていい・ダメのラインを理解して、今日から安心して体を動かしていきましょう。
腰痛のとき絶対NGの筋トレ5つ

腰痛があるときに避けるべき筋トレは、腰椎に強い屈曲・伸展・回旋ストレスがかかる動きと、体幹が安定しないまま負荷がかかる動きです。
国家資格(柔道整復師/鍼灸師)として14年間、整形外科クリニックやパーソナルジムで腰痛の方を多く見てきましたが、
以下の5つは腰痛を悪化させるケースが非常に多いです。
僕自身もぎっくり腰を経験しており、痛みがある時期に誤った動きをすると回復が遅れることを身をもって理解しています。
これから紹介する内容は、腰痛時には絶対に避けるべきNG動作の核心です。
前屈系の腹筋(クランチ・シットアップ)
クランチやシットアップは腰椎を強く丸める動き(屈曲)が中心です。
腰痛の多くは「椎間板」や「腰椎の周りの筋肉」に負担がかかっている状態なので、前屈動作の繰り返しは炎症を悪化させやすい特徴があります。
臨床でも、
「腹筋運動を頑張った翌日に腰痛が急に強くなった」
という相談は非常に多いです。
特に、
- 猫背気味
- ハムストリングスが硬い
- デスクワークで骨盤が後傾している
こうした方は腰を丸めるクセが強く、クランチが腰痛を誘発しやすい傾向があります。
腰痛がある時期は、前屈動作の腹筋運動は避けてください。
反り腰を強める背筋(バックエクステンション)
バックエクステンションは、腰を反る(伸展)動きが中心です。
反り腰タイプの方は、ただでさえ腰椎の後方に負担がかかりやすい状態であり、腰痛を悪化させる典型パターンになります。
NASM-PESの観点でも、反り腰の方は
- 腹圧が入りにくい
- 体幹が過伸展しやすい
- 腰だけが反りやすい
という代償が出やすいため、エクステンション系のトレーニングを行うと腰部に負荷が集中します。
実際、僕のクライアントでも腰を反る背筋トレを毎日続けて急激に痛みが増したケースがあり、
姿勢を整えてから体幹トレに切り替えることで改善した例があります。
腰痛があるときの過伸展動作はリスクが高いため避けましょう。
高重量スクワット・デッドリフト
スクワットやデッドリフトは、正しいフォームで行えば非常に良いトレーニングです。
しかし腰痛がある状態では、腹圧が十分に入らず体幹が崩れやすくなるため危険性が急上昇します。
特に、
- 高重量を扱う
- もともと反り腰
- 足首が硬く代償が出やすい
こうしたケースでは腰椎に「圧縮+前後のせん断ストレス」が加わり、痛みを悪化させやすいです。
整形外科クリニックでも、スクワットのフォームが崩れたまま無理にトレーニングを続けて腰痛が悪化したという例を多く見てきました。
腰痛時には、必ず負荷を下げるか、一度中止してください。
ロシアンツイストなど捻り系
ロシアンツイストのような回旋動作は、腰椎が最も苦手とする方向(回旋)です。
本来、胸椎で回旋動作は起こりますが、腰痛持ちの多くは腰椎の代償で回旋動作が起こります。
腰椎は本来、ひねり動作にほとんど適しておらず、捻る負荷は椎間関節の炎症を悪化させる要因となります。
特に
- 急性腰痛
- 反り腰と猫背の混在タイプ
- 股関節が硬い
こうした方は腰だけがひねってしまう代償動作が起きやすく、危険性が高いです。
臨床でも、ツイスト系で「急に腰が抜けるような痛みが出た」と相談されるケースは珍しくありません。
腰痛時に捻り系の腹筋は特に注意すべき動作です。
ジャンプ系・体幹が崩れやすいHIIT
ジャンプ系(バーピー・ジャンピングスクワットなど)は、着地時の衝撃が直接腰に伝わりやすいため、腰痛がある状態では最も危険なカテゴリーの一つです。
またHIITは動作スピードが速いため、
- 体幹が抜けやすい
- 姿勢が安定しない
- 疲労でフォームが崩れやすい
という特徴があり、腰痛時には炎症や筋スパズムを悪化させる可能性があります。
パーソナルジムでも、腰痛がある方にジャンプ系を使うことはありません。
痛みがあるときは、衝撃が少ない低負荷・低振動の運動が基本になります。
この章のまとめ
腰痛時に避けるべき筋トレの共通点は以下のとおりです。
- 腰椎の屈曲・伸展・回旋が強い
- 腹圧が入らず体幹が不安定
- 高負荷・高スピードでフォームが崩れやすい
- 衝撃がダイレクトに腰に伝わる
これらに当てはまる運動は、臨床でも悪化例が多く、
「痛みがある時期は一時的に中止する」
ことが最も安全で確実な判断になります。
腰痛が筋トレで悪化するメカニズム

腰痛のときに筋トレが悪化を招く理由には、明確な身体メカニズムがあります。
国家資格の柔道整復師・鍼灸師として、そしてNASM-PESとして動作評価を行ってきた立場から言うと、
「腰椎への過剰な負荷」
「腹圧の低下」
「炎症期の組織ダメージ」
「姿勢タイプの問題」
この4つが腰痛悪化の主要因です。
整形外科クリニックやパーソナルジムでも、この4つを理解した上で運動指導を行うだけで、腰痛の再発率は大きく下がりました。
ここでは、それぞれのメカニズムをわかりやすく解説します。
腰椎の屈曲・伸展ストレスが急上昇する
腰椎は、前に曲げる(屈曲)・後ろに反る(伸展)のどちらにも弱い特徴があります。
特に痛みが出ている時期は、椎間板や椎間関節が敏感になっているため、
屈曲・伸展どちらかに偏った動きを繰り返すと炎症が悪化しやすくなります。
具体的なメカニズム
- 屈曲(前屈)
→椎間板後方に圧力が集中し、神経を圧迫しやすい - 伸展(反り)
→椎間関節の後方に負荷が集中し、椎間関節を痛めやすい
現場でも、
「クランチを続けたら翌日から腰が抜けるように痛い」
「バックエクステンションで急に痛みが走った」
という相談は非常に多いです。
腰痛時に極端な屈曲・伸展動作を繰り返すことは、腰椎の構造上リスクが高まります。
腹圧が抜けると腰部に負荷が集中する
腹圧(腹腔内圧)は、腰椎の天然コルセットです。
この圧が抜けると、腰椎を支える力が急低下し、負荷がそのまま腰に集中してしまいます。
🔸なぜ腹圧が抜けるのか
- 痛みで体幹が安定しない
- 姿勢が崩れて腹筋が働きにくい
- 高重量を扱って力みが生じる
- 呼吸を止めてしまう
- そもそも使い方がわからない
腰痛の方は、腹圧が入りにくい体の状態になっていることが多く、
NASM-PESの動作評価でも「腹圧の弱さ」は腰痛リスクの大きな要因として扱われています。
僕のクライアントでも、腹圧が入らないままスクワットを続けて痛みが悪化したケースは何度もありました。
腹圧が抜けると腰椎の安定性が失われ、どんなトレーニングでも怪我に繋がる危険性が高まります。
炎症期(急性期)は組織ダメージが広がる
ぎっくり腰や急性の痛みが出ている時期は、腰の組織(筋肉・靭帯・椎間関節など)に炎症が起きています。
この状態で無理に動かしたり負荷をかけたりすると、炎症が周囲に広がり、回復が遅れるのが特徴です。
🔸急性期に筋トレが危険な理由
- 組織が腫れており、負荷に耐えられない
- 動き出しが硬く、代償動作が出やすい
- 痛みをかばって姿勢が崩れやすい
- 血流や筋スパズムの影響で痛みが強くなる
整形外科クリニックでは、急性期に無理な運動を行ったことで
「炎症が引くまでに本来の倍の期間かかった」
という例を何度も目にしてきました。
炎症期は、筋トレよりも安静+軽い動きが優先です。
反り腰/猫背で負荷が変わる(姿勢別メカニズム)
腰痛の原因は姿勢タイプによって異なります。
つまり、同じ筋トレでも「反り腰の人」と「猫背の人」では悪化しやすい動きが変わるということです。
🔸反り腰の場合
- 腰椎伸展(反る)動作が過剰
- バックエクステンションや高重量スクワットで痛めやすい
- 腹圧が入りにくく、腰の関節だけが動きやすい
🔸猫背・前屈タイプの場合
- 腰椎屈曲(丸まる)動作が過剰
- クランチや丸める腹筋で症状悪化
- 椎間板後方へ負荷が集中しやすい
🔸臨床での典型例
パーソナルジムでは、反り腰の人に無意識で腰を反ってしまうクセがあり、負荷が腰だけに入ってしまうことがよくあります。
逆に猫背タイプは、腹筋運動のたびに腰を丸めすぎて痛みを誘発しやすい特徴があります。
このように、姿勢タイプによって危険な動きは変わるため、腰痛の改善は自分の姿勢特性を理解することから始まります。
この章のまとめ|腰痛が悪化する4つのメカニズム
- 屈曲・伸展など極端な動きで腰椎にストレスが集中する
- 腹圧が抜けると体幹が崩れ、負荷が腰に一点集中する
- 炎症期は組織が弱く、少しの負荷でもダメージが広がる
- 姿勢タイプによって悪化しやすい動きが大きく異なる
これらを理解したうえで筋トレを行うことで、腰痛の悪化を防ぎ、安全にトレーニングが進められます。
症状別|タイプ別のNG筋トレ

同じ「腰痛」といっても、原因や体の使い方のクセは人によってまったく違います。
柔道整復師・鍼灸師として現場に立ってきた感覚では、大きく
- 反り腰タイプ
- 前屈タイプ(椎間板系)
- ぎっくり腰などの急性期
- 慢性腰痛
に分けて考えると、安全な運動の判断がしやすくなります。
ここでは、それぞれのタイプごとに「避けてほしい筋トレ・動き方」を整理してお伝えします。
反り腰タイプが避けるべきトレーニング
反り腰タイプは、骨盤が前に倒れやすく、腰のカーブ(腰椎前弯)が強くなっている状態です。
一見、姿勢が良く見える方もいますが、実際には腰椎の後ろ側に常にストレスがかかっていることが多いです。
このタイプが特に避けたいのは、次のようなトレーニングです。
- 背中を大きく反らせるバックエクステンション
- 高重量のスクワット・デッドリフトで「腰から反ってしまうフォーム」
- 腕立て伏せやプランクで、お腹が抜けて腰だけ反るパターン
- ヨガやストレッチで、限界まで腰をそらせるポーズ
反り腰の方は、お腹の筋肉やお尻の筋肉がうまく働かず、「腰で動きを代償するクセ」がついているケースがよくあります。
その状態で反る動きを繰り返すと、腰の関節や筋肉をさらに圧迫してしまうことになるでしょう。
現場でも、
「背筋を鍛えようとしてバックエクステンションを頑張ったら、腰の痛みが強くなった」
という相談を受けることがよくあります。
反り腰タイプの方は、
- 反る動きは最小限にする
- お腹とお尻で体を支える意識を持つ
この2点を徹底しながら、体幹トレーニング中心にメニューを組むと安全です。
前屈タイプ(椎間板系)が避けるべきトレーニング
前屈タイプは、いわゆる「猫背」「丸腰」になりやすい方です。
デスクワークが長い方や、座っている時間が極端に長い方に多いパターンといえます。
このタイプでは、椎間板の後方に負担がかかりやすく、前かがみ動作の繰り返しが痛みを悪化させる要因になります。
避けたいトレーニングとしては、次のようなものが代表的です。
- クランチ・シットアップなど、「背中を丸めて起き上がる腹筋」
- 立位や座位で、膝を伸ばしたまま深く前屈するストレッチ
- 背中を丸めたまま行うデッドリフトやローイング
- マシンでの腹筋運動(アブドミナルマシン)を深く曲げる動作
このタイプの方は、もともと背中を丸めるクセが強いため、
腹筋運動をするときに「お腹ではなく腰の後ろ側」にストレスが集中しやすいです。
僕の経験でも、
「腹筋を鍛えたくてクランチを毎日続けていたら、ある日から腰の奥がズキズキするようになった」
というケースは少なくありません。
前屈タイプの場合は、
- 「丸める腹筋」はいったん封印する
- 背骨を長く保ったまま体幹を安定させる種目(ドローイン・デッドバグなど)へ切り替える
この方針でメニューを組んだ方が、腰には圧倒的にやさしいです。
ぎっくり腰・急性腰痛期に絶対NGの運動
ぎっくり腰を含む「急性腰痛期」は、筋肉や靭帯、関節の周りで炎症が起きている状態です。
このタイミングでやってしまうと悪化しやすい運動は、次のようなものです。
- 高重量の筋トレ全般(スクワット・デッドリフト・ベンチプレスなど)
- ジャンプ系トレーニング(バーピー、ジャンピングスクワットなど)
- ランニングや長時間の早歩き
- 痛みを我慢して行うプランクや体幹トレーニング
- 「動かした方がいい」と無理に行うストレッチ全般
急性期は、「多少痛いけど、動けばほぐれるだろう」という考え方が一番危険です。
炎症が強い時期に負荷をかけると、ダメージを受けている組織にさらにストレスが加わり、
結果として治りが遅くなるケースが本当に多いと感じています。
僕自身、ぎっくり腰になった際に「少し動いた方が早く治るはず」と考えて、
早めにトレーニングを再開しようとして痛みを長引かせてしまった経験があります。
急性期は、
- 痛みが強く出る動きは徹底的に避ける
- 負荷をかける筋トレは原則ストップ
- 痛みが落ち着いてから少しずつ再開する
このくらい慎重でちょうど良いと考えてください。
慢性腰痛で特に悪化しやすい動作
慢性腰痛は、痛みが3か月以上続いている状態を指します。
この段階では、「まったく動かないこと」も問題ですが、だからといって
「きつければきついほど効くはず」
と考えて過度な負荷をかけると、かえって悪化しやすくなります。
慢性腰痛の方が特に注意したい動きは、次のようなパターンです。
- 痛みを我慢しながら回数や重量をどんどん増やすトレーニング
- 反動を使った勢い任せの腹筋や背筋
- フォームが崩れたまま続ける高重量トレーニング
- ねじりを多用した体幹トレーニング(ロシアンツイストなど)
- 同じ種目ばかりを毎日繰り返すメニュー構成
慢性腰痛の方は、痛みに慣れてしまっている分、
「これくらいならイケる」
と自分の限界を超えて頑張りすぎることがよくあります。
しかし、腰はオーバーワークに弱い関節なので、少し物足りないくらいの負荷設定がちょうど良いことが多いです。
現場でも、
「トレーニングのやりすぎで慢性腰痛がぶり返した」
という方は少なくありません。
慢性腰痛の場合は、
- その日の体調や痛みの強さで負荷を調整する
- 週単位で強弱をつけながらトレーニングする
- フォームの質を最優先にする
この3点を意識しておくと、腰の状態は安定しやすくなります。
ストレッチ・ヨガの「やってはいけない動き」

腰痛のときは「筋トレは怖いから、とりあえずストレッチやヨガだけにしておこう」と考える方がとても多いです。
ただ、やり方を間違えると筋トレ以上に腰へ負担をかけてしまうケースも少なくありません。
柔道整復師・鍼灸師として、そしてNASM-PESとして動作を見ていると、
腰痛の方が共通して避けた方がよい「危ないストレッチ・ヨガのパターン」がいくつか見えてきます。
ここでは代表的な4つをお伝えしますね。
腰を無理に反らせる後屈ポーズ
ヨガやストレッチの後屈ポーズ(ブリッジ、コブラのポーズ、上体を大きく反らせる動きなど)は、
腰を限界まで反らせること自体が目的になりやすい動きです。
反り腰気味の方や、背中が硬くて腰だけが動きやすい方は、
- 胸椎(胸のあたり)があまり動かない
- 代わりに腰椎だけが大きく反る
というパターンが非常に多いと感じます。
その結果として
- 腰の関節の後ろ側を強く圧迫する
- すでに炎症がある部分をさらに押しつぶしてしまう
こういったことが起こり、腰痛が悪化しやすくなります。
実際の現場でも、
「ヨガで反るポーズを頑張った翌日から腰の痛みが強くなった」
という相談は珍しくありません。
腰痛があるときは、
- 反る角度を小さくする
- 胸を開くイメージを優先し、腰だけ反らせない
- 痛みを感じる手前で止める
このあたりを徹底し、限界まで反らせることはやめておくのがおすすめです。
前屈で腰椎に負荷が集中する動き
前屈系のストレッチも注意が必要です。
とくに、膝を伸ばしたまま床に手をつけようとするような動きは、腰椎の後方に強いストレスが集中しやすいポジションになります。
本来、もも裏やお尻が伸びてほしい場面でも、
- 股関節がうまく曲がらない
- もも裏が硬い
- 骨盤が後ろに倒れやすい
こういった条件がそろうと、背中全体を丸めて「腰だけ」で前屈してしまうことがよくあります。
その結果、
- 椎間板の後ろ側に圧力がかかる
- 神経を刺激しやすくなる
- 立ち上がるときに「グキッ」と痛みが走る
といったリスクが高まります。
腰痛のときは、
- 膝を少し曲げて行う
- 手の位置ではなく「もも裏がじんわり伸びるかどうか」を基準にする
- 背中を丸めすぎないよう、軽く胸を張る意識を持つ
このように、「どこを伸ばしたいのか」を優先して考えることが大切です。
ねじりを伴うヨガポーズの危険性
腰椎は、曲げ伸ばしよりも「ねじる動き」に弱い構造をしています。
そのため、ねじりを強く伴うヨガポーズは、腰痛があるときには特にリスクが高い動きです。
例えば
- 座位で上半身を思い切り捻るポーズ
- 仰向けや横向きで脚をクロスさせながら腰をひねるストレッチ
- 立位で上半身だけをぐるっと回す動き
などが代表的な例になります。
股関節や胸椎がしっかり動いていれば問題になりにくいのですが、
実際の現場では「全身の硬さ」を腰だけでカバーしてしまう方が非常に多いです。
そうなると、腰椎の関節がねじれ方向のストレスに耐えきれず、痛みを引き起こしやすくなります。
腰痛があるときは、
- ねじりの角度を小さくする
- 脚と骨盤ごと一緒に動かし、腰だけをひねらない
- 「気持ちいい伸び」ではなく「違和感がない範囲」で止める
このあたりを基準にすると、安全に近づけます。
痛みを我慢して深めるストレッチはNG
ストレッチやヨガで一番危ないのは、実は「ポーズそのもの」よりも、痛みを我慢して続けることです。
- 「痛いけど、ここを越えたら柔らかくなるはず」
- 「先生がここまでと言っていたから、同じところまで頑張ろう」
こうした考え方は、腰痛を抱えている方には特に危険だと感じています。
痛みは、体からのブレーキ信号です。
鋭い痛みや、ズキッとする感覚が出ているのに無理をすると、
- 筋肉や靭帯を傷める
- 小さな炎症が積み重なって慢性化する
- 「ストレッチ=怖い」というイメージが定着してしまう
といったデメリットが大きくなります。
僕のところに来られるクライアントの中にも、
「柔らかくなりたくて痛みギリギリまで伸ばしていたら、ある日から腰の痛みが引かなくなった」
という方が少なくありません。
腰痛があるときのストレッチやヨガは、
- 気持ちよさを少し手前で止める
- 痛みが出る方向には攻め込まない
- 「伸ばすほど良い」という発想を手放す
この三つを守るだけでも、かなり安全性が高まります。
ストレッチやヨガは、本来とても良いセルフケアの手段です。
ただし、腰痛があるときには「どこまでやるか」「どんな方向に動かすか」で結果が大きく変わると感じています。
自宅トレ準備アイテム
自宅で腰に負担をかけずに体幹トレを行うには、
厚めのヨガマットやフォームローラーがあると安全性が格段に上がります。
僕も現場で必ず使っている定番アイテムです。
👉 ヨガマット(滑り止め/厚手)
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👉 フォームローラー(胸椎伸展のケアにも使える)
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自宅でできる|腰痛でも安全な代替筋トレ

ここまでお伝えしてきたとおり、腰痛があるときは「やってはいけない筋トレ」を避けることがとても大事です。
ただ、完全に何もしない期間が長く続くと、体幹やおしりの筋肉が弱ってしまい、結果的に腰痛が長引きます。
ここからは、臨床の現場でも実際に使っている
「腰痛でも取り入れやすい、安全性の高い代替トレーニング」
をご紹介します。
どれも自宅でできて、ヨガマットとタオルがあれば十分です。
それぞれの種目ごとに
「効果→手順→フォーム→NG例」
の順番で解説していきます。
ドローイン

ドローインは、お腹の奥のインナーマッスルを目覚めさせるための基本エクササイズです。
いわゆる「天然のコルセット」をつくるトレーニングだと思ってください。
腰そのものを動かさずに体幹を安定させるので、腰痛の初期段階でも取り入れやすい種目です。
■手順
- 仰向けに寝て、ひざを立てます。足は腰幅に開きます。
- 手のひらを下腹部(おへその少し下)にそっと当てます。
- 鼻からゆっくり息を吸って、お腹をふくらませましょう。
- 口から細く長く息を吐きながら、おへそを背中側に軽く引き寄せます。
- お腹をペタンコにしたまま、自然な呼吸を3〜5回くり返します。
- これを1セットとして、1日3〜5セットを目安に行います。
■フォームのポイント
- 腰と床のすき間は「手のひら1枚分」くらいをキープ
- お腹だけをへこませて、肩や首に力を入れない
- 呼吸は止めず、「吐きながらお腹をへこませる」リズムを意識
- お腹を固めるというより、「内側からじんわり支える」イメージで行う
■NG例
- 息を止めて一気にお腹を固める
- 腰をべったり床に押し付ける(過度な丸まり)
- 肩や首が力んで、すくんでしまう
- 痛みをこらえながら強くへこませる
デッドバグ

デッドバグは、体幹を安定させたまま手足を動かす練習ができる種目です。
腰を反らさず、ドローインでつくった「お腹の支え」を実際の動きにつなげるステップになります。
■手順
- 仰向けに寝て、両ひざを90度に曲げ、股関節も90度に上げます(いわゆる「テーブルトップ」姿勢)。
- 両腕を天井に向かってまっすぐ伸ばします。
- まず軽くドローインをして、お腹の奥にうすい緊張をつくります。
- 右手と左足を、ゆっくり床の方へ下ろしていきます。腰は反らさないようにキープ。
- 床ギリギリまで下ろしたら、元の位置に戻します。
- 反対側(左手と右足)も同じように行い、左右交互にくり返します。
- 片側8〜10回を目安に、2〜3セット行いましょう。
■フォームのポイント
- 腰と床のすき間が大きくならないよう、お腹をうすくへこませておく
- 手足を速く動かさず、「コントロールしている感覚」を大切にする
- 可動域は無理に大きくしなくてOK。腰が反りそうになったところで止める
- 肋骨を開きすぎず、みぞおちを軽く締めるイメージを持つ
■NG例
- 手足を勢いよくバタバタ動かす
- 下ろしたときに腰が大きく反ってしまう
- 呼吸を止めて、顔や首が真っ赤になるほど力む
- 痛みを我慢して回数だけ増やす
サイドプランク

サイドプランクは、体の側面の筋肉(腹斜筋・中殿筋など)を鍛え、骨盤と腰まわりの安定性を高めるエクササイズです。
前後だけでなく「横方向のグラつき」を抑えることで、腰への負担を減らせます。
■手順(初心者向け・ひざ付きバージョン)
- 横向きに寝て、ひじを肩の真下に置きます。
- ひざを軽く曲げ、ひざとひじで支える準備をします。
- ドローインを軽く意識しながら、骨盤を床から持ち上げます。
- 肩・骨盤・ひざが一直線になる位置でキープします。
- 20〜30秒を目安にキープし、反対側も同じように行います。
- 余裕が出てきたら、2〜3セットくり返しましょう。
■フォームのポイント
- 肩がすくまないように、首を長く保つ
- 骨盤が前後に倒れず、「真横」を向いた状態でキープ
- お腹の横側と、おしりの横が同時に働いている感覚を意識
- 腰だけを反らせず、体を1枚の板のようにして支える
■NG例
- 腰を反らせて、反り腰のままキープする
- 肩が耳の方へすくんでしまう
- 骨盤が後ろに倒れて、お腹が前に突き出る
- 痛みを感じているのに、時間だけ無理に延ばす
ヒップヒンジ(軽負荷)
ヒップヒンジは、股関節をしっかり使う感覚を身につけるための基本動作です。
「腰から曲げるクセ」を直し、おしりと太ももの裏を使えるようにすることで、日常動作でも腰に負担がかかりにくくなります。
■手順(自重でOK)
- 足を肩幅に開いて立ちます。足先はやや正面〜少し外向き程度。
- 両手を腰、または胸の前で組みます。
- 軽くドローインをして、お腹にうすい緊張をつくります。
- おしりを後ろに引きながら、上半身を前に倒します。
- もも裏が軽く伸びるところまで倒したら、股関節を伸ばして元の立位に戻ります。
- 10〜12回を1セットとして、2〜3セット行いましょう。
■フォームのポイント
- 「腰を曲げる」のではなく、「股関節から折りたたむ」イメージ
- 背中はフラットに保ち、丸めすぎない・反りすぎない
- 膝は軽く曲げてOK。伸ばしきらない方が安全
- 重心はかかと寄り。つま先に乗りすぎない
■NG例
- 背中を丸めて、腰から折れてしまう
- 逆に腰だけ大きく反らせる
- もも裏ではなく、腰のあたりにばかり張りを感じる
- 高さやスピードを優先してフォームが崩れる
キャット&カウ
キャット&カウは、背骨全体の動きをやわらかくし、腰まわりの血流を高めるエクササイズです。
筋トレというより、「関節と筋肉の準備運動」に近い位置づけで使うと効果的といえます。
■手順
- 四つ這いになり、手は肩の真下、ひざは骨盤の真下に置きます。
- 息を吐きながら、背中を丸めていきます(キャット)。おへそをのぞき込むようにします。
- 次に息を吸いながら、背中をゆるやかに反らせます(カウ)。
- この「丸める→反らせる」を、呼吸に合わせてゆっくりくり返します。
- 10〜15回を目安に行いましょう。
■フォームのポイント
- 動かすのは「背骨全体」。腰だけを大きく動かさない
- 痛みが出る手前の可動域で止める
- 顎だけを上げたり、首だけを反らせたりしない
- 呼吸に合わせて、リズムよく、ゆっくり行う
■NG例
- 腰だけを無理に反らせる(過度な伸展)
- 痛みがある方向にガンガン攻めてしまう
- 速いテンポでバタバタ動かす
- 手首や肩がつらいのに我慢して続ける
ハムストリングスのタオルストレッチ

ハムストリングス(太ももの裏)は、腰痛の方で特に硬くなりやすい部分です。
ここをやさしく伸ばしておくことで、骨盤の動きがスムーズになり、腰への負担を減らしやすくなります。
■手順
- 仰向けに寝て、片足にタオル(またはストラップ)をかけます。
- ひざを軽く曲げた状態から、タオルを持ったまま足をゆっくり持ち上げます。
- もも裏がじんわり伸びてきたところで止めます。
- 痛みが出ない範囲で、20〜30秒キープします。
- 反対側の足も同様に行います。
- 左右1〜2セットずつを目安にしましょう。
■フォームのポイント
- 伸ばしたいのは「もも裏」。腰やふくらはぎが痛い位置までは上げない
- ひざを完全に伸ばしきる必要はありません。少し曲がっていても十分効果が出ます
- 呼吸は止めず、ゆっくりした呼吸を続ける
- 腰が反りすぎないよう、軽くお腹をへこませておく
■NG例
- 「もっと伸ばしたい」と勢いよくタオルを引っ張る
- 痛みを我慢して限界まで足を上げる
- もも裏ではなく、腰の奥がズキっとする
- 足のしびれや鋭い痛みが出るのに続けてしまう
これらの種目は、どれも「腰を大きくひねらない・強く反らない・急に曲げない」という共通点があります。
NG筋トレをやめるだけでなく、こうした安全性の高い代替トレーニングをコツコツ積み重ねることが、腰痛改善への近道になります。
筋トレの再開時期|腰痛はいつから動いていい?

「いつから筋トレを再開していいのか分からない」「どのくらい休めば安全なのか知りたい」
ラッコキーワードで多く検索されている「休む期間」の悩みは、現場でも本当によく聞かれます。
柔道整復師・鍼灸師、NASM-PESとしての経験からお伝えすると、
ざっくりと「急性期(1〜3日)」「亜急性期(4日〜2週間)」「慢性期(2週間以降)」に分けて考えると、判断がしやすくなります。
ここでは、それぞれの時期に
「どこまで動いていいか」
「何を控えるべきか」
の目安を整理します。
急性期(1〜3日)は完全休息
ぎっくり腰を含め、痛みがグッと強く出た直後の1〜3日は急性期にあたります。
この時期は、腰まわりの筋肉や靭帯、関節の周囲で炎症が起きている状態です。
この段階では、筋トレは原則すべてお休みにしてください。
無理に動かすと、ダメージを受けた組織にさらにストレスがかかり、回復が遅れるリスクが高くなります。
とはいえ、「ベッドから一歩も出ない」という意味ではありません。
- 同じ姿勢で長時間じっとし続けない
- トイレや食事など、必要最低限の動きはOK
- 少し歩けるなら、痛みが強くならない範囲で室内を数分歩く程度は可
このくらいの「生活レベルの動き」にとどめておき、筋トレやストレッチは一度ストップするのが安全です。
僕自身もぎっくり腰を経験していますが、急性期に「少し動いた方が早く治るだろう」と早めにトレーニングを再開し、かえって治りが遅くなったことがあります。
痛みが強い最初の数日は、「動くより守る」を優先した方が、結果的に回復がスムーズです。
亜急性期(4日〜2週間)は軽い動きから
痛みのピークを超えて、少しずつ動けるようになってくる時期が亜急性期(4日〜2週間)です。
このタイミングから、ようやく「軽い運動」を検討していきます。
目安としては、
- 寝返りや起き上がりで激痛が走らなくなってきた
- トイレや洗面など、日常の動作がなんとかこなせる
- 安静時の痛みが少しずつ落ち着いてきている
こうした状態になっていれば、超低負荷のエクササイズから再開してかまいません。
たとえば、前のパートで紹介した
- ドローイン
- キャット&カウ(痛くない範囲)
- ごく軽いタオルストレッチ
このあたりが最初の一歩として適しています。
ポイントは、
- 「トレーニング」ではなく「リハビリのつもり」で行う
- 回数よりも「痛みが増えないか」を最優先にチェックする
- やった直後よりも「翌朝の痛み」が強くなっていないかを確認する
ということです。
ここで張り切って負荷を上げすぎると、炎症がぶり返して急性期に逆戻り、
というパターンになりやすいので、少し物足りないくらいの負荷設定を意識してください。
慢性期は体幹トレが効果的
痛みが落ち着いてきてから2週間以上経ち、
- 動いても「鋭い痛み」はあまり出ない
- 重だるさや違和感はあるが、日常生活はこなせる
このような状態になってきたら、いわゆる慢性期と考えてOKです。
この段階では、完全な安静を続けるよりも、体幹を中心とした運動療法(エクササイズ)の方が有利なケースが多くなります。
実際、臨床でも「慢性腰痛は適切な運動を取り入れた方が経過が良い」と感じることが非常に多いです。
具体的には、
- ドローイン→デッドバグ→サイドプランクと体幹の段階的な強化
- 軽めのヒップヒンジで、股関節主導の動きを身につける
- ハムストリングスやおしりまわりの柔軟性アップ
このあたりを少しずつ組み合わせていきます。
ただし、慢性期でも
- 動くと明らかに痛みが増し続ける
- 足のしびれや力が入りにくい感じが強くなる
こういった症状がある場合は、単なる運動不足由来の腰痛ではない可能性もあるため、医療機関でのチェックをおすすめします。
あくまで「痛みの範囲内におさめながら、少しずつできることを増やしていく」というスタンスが大事です。
再開時のチェックリスト(痛みの基準)
最後に、「筋トレを本格的に再開していいかどうか」を判断するためのチェックリストをまとめます。
次の項目の多くが当てはまれば、「そろそろ軽めの筋トレならスタートしても良いかな」という目安になります。
■再開してもよい目安
- 安静にしているときの痛みが、10段階中「2〜3」程度まで下がっている
- 朝起きたときの強いこわばりが、以前より明らかに軽くなってきている
- 洗顔や靴下を履く動作で、「息が止まるような痛み」は出ていない
- 10〜15分程度の歩行で、痛みが急に強くならない
- 軽いドローインやキャット&カウを行っても、その日のうち・翌日ともに痛みが悪化しない
- 強い痛み止めを飲まなくても、日常生活がなんとかこなせている
逆に、次のような場合は無理に筋トレを再開しない方が安全です。
■まだ控えた方がよい状態
- 安静にしていても、痛みが10段階中「5」以上ある
- 動いたあとに、必ず痛みがぶり返してくる
- 足にしびれや力の入りにくさが出てきている
- 咳やくしゃみで腰に鋭い痛みが走る
- 痛みを隠すために、毎日のように強い鎮痛薬が手放せない
こうしたサインがある場合は、筋トレ再開よりも
「まず原因の評価」→「治療や検査の検討」
を優先した方が安全です。
腰痛があるときの筋トレは、「どの種目をやるか」と同じくらい「いつから始めるか」が重要なポイントになります。
焦らず、段階を踏んで、
- 急性期は守る
- 亜急性期は慣らす
- 慢性期は適切に鍛える
このステップを意識しながら進めていきましょう。
痛みが悪化したときの正しい対処法

どれだけ気をつけていても、トレーニング中やトレーニング後に「前より痛くなったかも…」と不安になる場面は出てきます。
そのときに大切なのは、無理して続けるのではなく、「いったん止める」「応急処置をする」「必要なら医療機関に相談する」という流れを冷静に選べることです。
ここでは、柔道整復師・鍼灸師としての経験から、腰痛が悪化したときの判断基準と、具体的な対処法を整理してお伝えします。
すぐに中止すべき痛みの特徴
まずは、「その場でトレーニングを中止すべきサイン」から押さえておきましょう。
次のような痛みが出たときは、その種目は即中止が鉄則です。
- 動いた瞬間に「ズキッ」「ビキッ」と鋭い痛みが走る
- 片側の脚に、電気が走るような痛みがスッと抜けていく
- 腰だけでなく、太もも〜足先にかけてしびれが強くなってきた
- 力が入りにくくなり、片脚立ちやつま先立ちが不安定になる
- トレーニング後、じっとしていても痛みがどんどん強くなっていく
こういった症状は、単なる筋肉痛ではなく、神経や椎間板にストレスがかかっているサインの可能性があります。
「もう少しやれば慣れるかも」と続けてしまうと、炎症や神経症状が悪化することが多いです。
その場では中止→クールダウン→応急処置に切り替えてください。
市販アイテムでできる応急処置(サポーター/湿布)
痛みが強くなった直後は、「いかに悪化を防ぐか」がポイントになります。
自宅でできる範囲では、次のような市販アイテムが役に立ちます。
■サポーター・コルセット
- 動くときだけ、一時的に腰を支える目的で使う
- きつく締めすぎず、「少しラクに感じる」程度で調整する
- 24時間つけっぱなしではなく、就寝時は基本的には外す
サポーターは治す道具というより、「痛みが強い時期の補助輪」のようなイメージです。
長期間にわたってつけっぱなしにすると、体幹の筋肉がさぼりやすくなるので、症状が落ち着いてきたら少しずつ使用時間を減らしていくと良いでしょう。
■湿布(冷感・温感)
- 急に痛みが強くなった直後〜1〜2日は、冷感タイプが合うことが多いです
- 慢性的な重だるさやこわばりには、温感タイプで血流を促した方がラクになるケースもあります
- 皮膚が弱い方は、かぶれや赤みが出やすいので、使用前にパッチテストや短時間使用から始める
成分によっては、他の薬との飲み合わせや体質に注意が必要なものもあります。
不安があれば、薬剤師さんや医師に相談してから使うと安心です。
■冷却・保温の目安
- 痛みが出た直後:アイスパックをタオル越しに10〜15分ほど
- その後:冷やしすぎに注意しつつ、痛みが落ち着いてきたら「温めてラクなら温める」くらいの感覚でOK
どのアイテムも、「効いている感じがするから」とやりすぎると逆効果になります。
ちょうどいいところで止める感覚を大切にしてください。
応急処置アイテム
痛みが強いときは、腰サポーター や 湿布 を上手に使うと負担を減らせます。おすすめサポーターはこちら
医療機関に相談すべき基準
腰痛は、適切なセルフケアで落ち着くケースも多いですが、中には「自己判断で様子を見てはいけない」パターンも存在します。
次のような場合は、早めに整形外科などの医療機関に相談することをおすすめします。
■すぐ受診を検討したいサイン
- 安静にしていても痛みが強く、夜眠れないレベルが続いている
- 足のしびれや脱力感が、日ごとに悪化している
- 排尿・排便がしづらい、もしくは逆にガマンできない状態になってきた
- 発熱やだるさを伴い、「風邪とは違う感じの違和感」がある
- 交通事故や高所からの転落など、強い外傷をきっかけに痛みが出た
こうした症状は、単なる「筋肉の張り」ではなく、神経・骨・内科的な疾患などが隠れている可能性があります。
■様子見が長すぎるパターン
- 「そのうち良くなるだろう」と思いながら、痛みが1〜2週間以上ほとんど変わらない
- 良くなったり悪くなったりをくり返し、半年〜1年以上続いている
- どのセルフケアをしても、その場しのぎで終わってしまう
こういった場合も、一度しっかり評価してもらうことで、
「何をやめるべきか」
「何を続けるべきか」
が明確になりやすいです。
僕自身、整形外科クリニックと連携しながらクライアントをみてきましたが、相談のタイミングが早かったほど、結果も良くなりやすいと感じています。
再発を防ぐためのフォーム見直しポイント
痛みが悪化したときに大切なのは、「ただ休む」だけでなく「何が原因だったのかを振り返ること」です。
ここを見直さないと、同じフォーム・同じ負荷で、何度も同じ場所を痛めてしまいます。
フォームを見直す際のポイントを、いくつか挙げておきます。
■見直したいチェックポイント
- どの種目・どの動きのときに痛みが出たのかメモしておく
- 重量・回数を優先しすぎて、「フォームが5割くらい壊れた状態」で続けていなかったか
- お腹に力を入れず、腰だけで支えていなかったか(腹圧の意識)
- 動作のはじめと終わりで、腰の反り具合や丸まり具合が変わっていないか
- 疲れてきた後半で、動きを雑にこなしていなかったか
■僕が現場で必ず伝えていること
- 「痛みゼロ」だけを目標にするより、痛みが10段階中2〜3を超えたら中止をルールにする
- 1セット目で違和感が出た種目は、その日はそれ以上追い込まない
- 新しい種目・久しぶりの種目は、半分の重量・半分の回数から試す
- 鏡や動画でフォームを客観的にチェックする
腰痛は、「このフォームさえ守れば絶対大丈夫」という万能ルールが存在しません。
そのかわり、自分の体の反応を見ながら、日々微調整していくことが一番の予防策になります。
痛みが悪化したときの対応は、
- その場で中止する勇気
- 応急処置で悪化を防ぐ工夫
- 必要に応じて医療機関に相談する判断
- 次に同じ失敗をくり返さないためのフォーム見直し
この4つが揃うことで、再発リスクを大きく下げることができます。
「無理して続けるほど成長する」という考え方は、腰にとってはむしろ逆効果になりやすいので、
安全に続けられるラインを自分で見つけていくことを意識してみてください。
よくある質問(FAQ)

ここまで読んでいただく中で、「それでも実際どうすればいいの?」という細かい疑問がたくさん出てくると思います。
ここでは、実際にクライアントからよく聞かれる質問に、柔道整復師・鍼灸師・NASM-PESの立場からお答えします。
まずは一言で結論(回答)をお伝えしてから、その理由をくわしく解説していきます。
腰痛でもスクワットはやっていい?
回答:条件付きでOKです。
腰痛があるからといって、一生スクワットを禁止する必要はありません。
ただし「痛みが強い急性期」や「フォームが明らかに崩れている状態」でのスクワットは、腰を悪化させるリスクが高いです。
動かしても痛みがほとんど増えないタイミングで、軽い重量からフォーム優先で再開するのが安全といえます。
特に、股関節からしっかり曲げることと、腹圧を保ったまま背中をフラットにキープすることが重要なポイントです。
腹筋運動は本当に全部ダメ?
回答:やり方次第でOKです。
腰痛のときに問題になるのは、「腹筋を鍛えること」ではなく「腰を大きく丸める腹筋運動」です。
クランチやシットアップのように、腰椎を強く屈曲させる動きは、痛みを悪化させるリスクがあります。
一方で、ドローインやデッドバグのように、腰を動かさずお腹の奥を使う種目は、むしろ腰痛改善に役立つ場合が多いです。
つまり、腹筋そのものが悪いのではなく、「どの種目を選ぶか」「どのフォームで行うか」が分かれ目になると考えてください。
筋トレ後の腰痛は好転反応?悪化?
回答:内容によってどちらもあり得ます。
トレーニング後に「軽い張り」や「筋肉痛程度の重だるさ」を感じるだけであれば、正常な反応の範囲内と考えて問題ありません。
しかし、鋭い痛みが出たり、時間の経過とともにどんどん痛みが強くなったり、足のしびれを伴うようであれば「悪化のサイン」です。
僕の基準では、痛みが10段階中4〜5を超える状態が続く場合は、好転反応ではなく負荷のかけすぎと判断します。
その場合はいったんトレーニング量を見直し、痛みが治まるまでは強度を下げるか種目を変更した方が安全でしょう。
コルセットはつけるべき?
回答:痛みが強い時期の「一時的なサポート」としては有効です。
コルセットや腰サポーターは、腰まわりを外側から支えてくれるため、急性期やどうしても動かないといけない場面では役に立ちます。
一方で、長期間つけっぱなしにしていると、お腹や背中の筋肉が自分で働く機会が減り、体幹の筋力低下につながりかねません。
そのため、「痛みが強いときだけ使い、落ち着いてきたら徐々に卒業していく」という使い方が理想的です。
あくまでコルセットは補助輪のような存在であり、最終的には自分の筋肉で腰を守れる状態を目指していきましょう。
おすすめスターターセット
腰痛改善の第一歩は「安全に動ける環境づくり」です。自宅でも使えるアイテムを揃えておくと、トレーニングが継続しやすくなります。
必要なアイテムを揃えて、今日から正しいトレーニングを始めましょう。
まとめ|腰痛の筋トレは「NG動作の回避×正しい動き」がすべて

ここまで、腰痛のときにやってはいけない筋トレと、安全な代替メニュー、再開のタイミングや悪化時の対処法をお伝えしてきました。
腰痛の筋トレで一番大切なのは、NG動作を避けながら、体幹を中心に「正しい動き」を少しずつ積み重ねることです。
今日からは、まず一つだけ安全な種目を選び、痛みの様子を見ながら続けてみてください。
自分の体の反応を観察しつつ無理のない範囲で継続すれば、腰は今より必ず安定していきます。
