腰痛があるとき、
「筋トレでベルトを使ったほうがいいのか、それとも使わないほうがいいのか」
と迷う人は少なくありません。
実際、トレーニングベルトは正しく使えば補助になりますが、
判断を間違えると、腰痛を悪化させたり長引かせてしまうこともあります。
大切なのは、ベルトを使う・使わないではなく、今の腰の状態で使ってよいかどうかを判断できているかです。
この記事では、
整形外科クリニックやパーソナルジムの臨床現場で見てきた経験をもとに、
腰痛があるときにトレーニングベルトを使ってよいケース・避けるべきNG判断、正しい使いどころの考え方を整理します。
読み終える頃には、「不安だからつける」という曖昧な判断から抜け出し、
今の状態に合った筋トレを選べるようになります。
※この記事で扱うトレーニングベルトの使用判断は、腰痛がある状態を前提とした考え方です。
健康な状態での一般的なトレーニングベルト使用とは異なります。
結論|腰痛がある人のトレーニングベルト使用は「条件付きでOK」

腰痛がある状態で筋トレをするとき、
「トレーニングベルトをつけたほうがいいのか、それとも使わないほうがいいのか」
と悩む人は非常に多いです。
私はこれまで、整形外科クリニックやパーソナルジム、整骨院で、腰痛のある方を14年以上サポートしてきました。
その経験から結論を言うと、腰痛があるからといってトレーニングベルトを必ず使う必要はありません。
大切なのは、トレーニングベルトを使うかどうかを感覚や不安で決めるのではなく、
今の腰の状態で使ってよい条件を満たしているかを判断することです。
まずはここで、トレーニングベルトを使ってよいケースと、使わないほうがいいケースの結論をはっきり整理します。
腰痛があってもトレーニングベルトを使ってよいケース・ダメなケースの結論
結論を明確にお伝えします。
腰痛がある人のトレーニングベルト使用は「条件付きで一時的にOK」です。
まず否定しておきたいのは、「腰痛=トレーニングベルト必須」という考え方です。
腰に不安があるからといって、毎回トレーニングベルトをつける判断は正解ではありません。
特に、
- 腰に痛みがあるままトレーニングを続けたい
- トレーニングベルトを締めると楽になるから使っている
このような使い方は、痛みをごまかしているだけになりやすく、悪化につながる可能性が高いため、はっきりNGと言えます。
一方で、次の条件を満たしている場合に限り、トレーニングベルトが一時的な補助として役立つこともあります。
- トレーニング動作中に腰の痛みが出ない、または悪化しない
- 自分でフォームを安定させられている
- 高重量・短時間の種目に限定している
- 不安を減らす目的で「一時的」に使っている
ここで重要なのは、「今日は不安だからつける」といった感覚的な判断をしないことです。
腰痛があるときほど、トレーニングベルトを使うかどうかは気分ではなく、
今の状態が条件を満たしているかどうかで冷静に判断する必要があります。
この判断を飛ばしてしまうと、トレーニングベルトは腰を守る道具ではなく、腰痛を長引かせる原因になってしまう可能性があります。
なぜ腰痛があるとトレーニングベルト使用に注意が必要なのか

腰痛があると、
「トレーニングベルトで腰を固めれば安心なのでは?」
と考えてしまいがちです。
しかし実際の臨床現場では、
腰痛の原因を正しく理解しないままトレーニングベルトに頼ったことで、かえって状態が長引いたケースも少なくありません。
ここでは、なぜ腰痛があるときほどトレーニングベルト使用に注意が必要なのかを、
原因の考え方・トレーニングベルトの役割・間違った使い方という3つの視点から整理します。
腰痛の原因は「筋力不足」だけではない
腰痛があると、
- 体幹が弱いから痛めた
- 筋力が足りないから支えられない
と考える方は非常に多いです。
しかし、臨床現場で実際に多い腰痛の原因は、筋力不足だけではありません。
整形外科クリニックやパーソナルジム、整骨院で腰痛のある方を14年以上見てきた経験上、
次のような要因が重なっているケースがほとんどです。
- 動作のクセやフォームの乱れ
- 負荷設定が今の状態に合っていない
- 疲労が抜けきらないままトレーニングを続けている
- 回復が追いついていない状態で負荷を上げている
このような状態で腰に違和感や痛みが出ている場合、
トレーニングベルトで支える前に見直すべき点が他に残っている可能性が高いと言えます。
筋力が足りないからトレーニングベルトで補うという発想だけで進めてしまうと、
本来、調整すべき原因が置き去りになり、結果的に腰痛を繰り返してしまうことがあります。
トレーニングベルトの本当の役割は「腹圧を補助する道具」
まずはっきりさせておきたいのは、
トレーニングベルトは腰痛を治したり、予防したりする道具ではないという点です。
トレーニングベルトの本来の役割は、腹圧を入りやすくして、体幹を安定させる補助をすることにあります。
腹圧が適切に入ると、体幹が安定し、結果として腰椎にかかる負担が分散されやすくなります。
ただしこれは、正しい姿勢やフォームが保てていることが前提です。
フォームが崩れた状態でトレーニングベルトだけを締めても、腰が安全になるわけではありません。
むしろ、トレーニングベルトをつけているから大丈夫という安心感が先に立ち、負荷を上げすぎてしまうケースもあります。
つまり、トレーニングベルトはあくまで補助であり、腰を守ってくれる主役ではないという理解が重要です。
トレーニングベルトの間違った使い方が腰痛を悪化させる理由
トレーニングベルトが逆効果になってしまうケースには、いくつか共通したパターンがあります。
まず多いのが、トレーニングベルトへの依存です。毎回トレーニングベルトを締めないと不安になり、自分で体を安定させる感覚を作れなくなってしまいます。
次に、フォームへの意識が下がることです。
「トレーニングベルトがあるから大丈夫」と感じてしまい、動作の質よりも重さや回数を優先してしまうケースも少なくありません。
さらに見逃せないのが、安心感の錯覚です。
トレーニングベルトを外すと急に不安が強くなり、つけていないと危ないのでは?と感じてしまう状態です。
このように、トレーニングベルトそのものが悪いのではなく、
使い方を誤ることで判断を間違えやすくなる構造が問題になります。
腰痛があるときほど、
- トレーニングベルトが今の状態に本当に必要なのか、
- それとも他に見直すべき点があるのか
これらを冷静に判断する視点が欠かせません。
腰痛がある人の筋トレ全体の考え方や、トレーニングベルト以外に見直すべきポイントについては、こちらの記事で詳しく整理しています。
トレーニングベルトと腰用サポーターは目的がまったく違う

腰痛があると、
「トレーニングベルトとコルセット(別名:腰用サポーター)は何が違うのか」
と迷ってしまう方は少なくありません。
見た目は似ていますが、筋トレという文脈で考えると、この2つは目的がまったく異なる道具です。
違いを理解しないまま使ってしまうと、腰を守るつもりが、かえって判断を誤る原因になります。
ここでは、筋トレ中に使う道具かどうかという視点で、
トレーニングベルトとコルセット(別名:腰用サポーター)の役割を整理します。
なお、コルセット(別名:腰用サポーター)は、筋トレ中に使う前提の道具ではありません。
ただし、仕事中や家事など日常生活で腰の負担を減らしたい目的であれば、腰用サポーターを選ぶのは一つの選択肢です。
たとえば、マグダビットの腰サポーターのように、日常生活での動作を大きく妨げにくいタイプを「生活用」として検討するのは一つの考え方です。
※あくまで筋トレ中の使用を前提としたものではなく、日常生活で腰の負担を軽減したい場合の選択肢として捉えてください。
トレーニングベルトは「筋トレ用の補助具」
トレーニングベルトは、高重量・短時間の筋トレで腹圧を補助するための道具です。
トレーニングベルトを締めることで腹圧を作りやすくなり、体幹を安定させるサポートになります。
ただし、これは自分でフォームを安定させられていることが前提条件です。
フォームが崩れた状態を、トレーニングベルトで無理に支えるための道具ではありません。
また、トレーニングベルトは常用を前提としたものでもありません。
毎回つけ続けると腹圧を自分で入れる感覚が育たず、トレーニングベルトに頼る状態になってしまう可能性があります。
重要なのは、トレーニングベルトはあくまで筋トレの補助具であり、
腰痛対策や治療を目的とした道具ではない、という点です。
筋トレ中に使う腰痛対策アイテムとして、役割が明確なのはトレーニングベルトだけだと理解しておく必要があります。
コルセット(別名:腰用サポーター)は「日常生活や安静のための道具」
コルセット(別名:腰用サポーター)は、日常生活や作業時に腰の負担を軽減するための道具です。
腰の動きを制限したり、固定することで負担を減らす設計のものが多く、
安静が必要な場面や、生活動作をサポートする目的で使われます。
そのため、筋トレ中の使用を前提とした道具ではありません。
動作を制限する構造のものをトレーニング中に使うと、
可動域が狭くなったり、フォームが崩れる原因になることがあります。
コルセット(別名:腰用サポーター)は、医療・生活寄りの目的で使う道具であり、
筋トレの安全性やパフォーマンスを高めるためのものではない、という線引きをしておくことが重要です。
腰痛がある人が一番やりがちな勘違い
腰痛があると、「腰が痛いなら、固めておけば安心」と考えてしまいがちです。
実際の臨床現場でも、腰に不安があるからという理由だけで、
コルセット(別名:腰用サポーター)を巻いたまま筋トレを続け、かえって状態を悪化させてしまったケースをよく見てきました。
- 固めているから大丈夫だと思ってしまう
- フォームの違和感に気づきにくくなる
- 痛みのサインを無視して続けてしまう
こうしたあるあるは、道具そのものが悪いのではなく、使う場面の判断を誤っていることが原因です。
腰痛があるときほど、
今の目的が「筋トレを行うこと」なのか、それとも「日常生活の腰の負担を減らすこと」なのかをはっきり分けて考える必要があります。
この違いを意識して、道具を選ぶ判断が欠かせません。
【最重要】腰痛がある人のトレーニングベルト使用OK/NG判断基準

腰痛がある状態で筋トレをするとき、トレーニングベルトを使うかどうかで一番重要なのは、
安全かどうかではなく今の状態に合っているかどうかです。
トレーニングベルトを使っても問題ないケースと、使わないほうがいいケースには、はっきりとした判断基準があります。
ここでは、腰痛がある人が迷わず判断できるように、
YES/NOで分けた実践的な基準を整理します。
トレーニングベルトを使ってもよいケース(YES判定)
腰痛があっても、次の条件を満たしている場合は、トレーニングベルトが補助として役立つことがあります。
まず大前提として、トレーニング動作中に腰の痛みが増えないことが必要です。
違和感があっても、動作を繰り返す中で痛みが強くならない状態が目安になります。
また、腰に不安はあっても、自分でフォームを安定させられていることが重要です。
トレーニングベルトがないと腹圧を自分で保てず、フォームが保てない状態では、YES判定にはなりません。
使用する場面も限定する必要があります。
トレーニングベルトを使う場合でも、
腰痛が落ち着き、動作中に痛みが出ない状態でのみ、高重量・短時間のセットに限定して使うことが前提です。
ウォームアップや軽い負荷の種目まで毎回使う必要はありません。
さらに、一度トレーニングを中断していた場合は、再開テストで問題がなかったかどうかも判断材料になります。
軽めの負荷で動作を確認し、痛みの変化がないことを確かめたうえで使用します。
ここで強調したいのは、重量(kg)で判断しないことです。
同じ重量でも、体調や疲労によって状態は変わります。
トレーニングベルトを使うかどうかは、数字ではなく、今の体の反応を基準に判断することが重要です。
トレーニングベルトを使わないほうがいいケース(NO判定)
次のような状態に当てはまる場合は、トレーニングベルトの使用は避けるべきです。
トレーニング中に腰の痛みが増える、広がる、質が変わる場合は、体が「今は負荷をかける段階ではない」と知らせているサインです。
この状態でトレーニングベルトを使って続けるのは、
安定させているのではなく、痛みを一時的に隠して無理をしているだけになりやすくなります。
フォームが崩れているのに、「トレーニングベルトがあるから大丈夫」と判断してトレーニングを続けてしまうケースもNO判定です。
フォームの乱れを無視したまま負荷をかけると、腰痛の悪化リスクは高まります。
さらに、毎回つけないと不安になる状態も要注意です。
これは体の問題というより、判断がトレーニングベルト依存になっているサインと言えます。
実際の臨床現場でも、
腰に不安があるからという理由で常にトレーニングベルトを使い続け、結果的に腰痛を長引かせてしまったケースを何度も見てきました。
この段階では、トレーニングベルトを使う・使わない以前に、トレーニング内容や負荷設定を見直す必要があります。
トレーニングベルトを使うなら最低限守るべき使い方と注意点

トレーニングベルトは、正しく使えば補助になりますが、使い方を間違えると腰痛を長引かせる原因にもなります。
ここでは、これだけは守ってほしい最低限のポイントに絞って、
巻き方・使う場面・使用期間の考え方を整理します。
細かいフォーム解説よりも、判断を誤らないための基準に重点を置いて確認してください。
巻く位置・きつさの考え方
トレーニングベルトは、腰だけをピンポイントで固めるものではありません。
腹部全体を均等に圧迫し、腹圧を入りやすくする意識が重要です。
きつさの目安は、ベルトを巻いた状態でも自然に呼吸ができることです。
息が止まるほど締める必要はありません。
スクワットやデッドリフトなどの種目では、動作中にお腹を内側から押し返せる感覚があるかを確認します。
ただ締めているだけで、お腹に力を入れられない状態は適切とは言えません。
よくある誤解が、「きつく締めるほど安全」という考え方です。
締めすぎることで腹圧が過度に高まり、血圧が上昇したり、気分が悪くなるなどのリスクが指摘されています。
無理に締めることが安全につながるわけではありません。
細かいフォームや呼吸の作り方については、以下のページで詳しく解説しています。
この記事では、「締めすぎない」「腹部全体を使う」この2点を押さえておけば十分です。
使う種目・使わない種目
トレーニングベルトを使う場面は、フリーウエイト種目が中心になります。
スクワットやデッドリフトなど、体幹の安定が強く求められる種目では、条件が合えば補助として使う価値があります。
一方で、マシン種目については、原則としてトレーニングベルトは不要です。
軌道が固定されている分、ベルトに頼る場面はほとんどありません。
大切なのは、種目名そのものではなく、今の負荷と不安感です。
- 負荷が高く、短時間に集中する場面なのか
- 自分で体幹を安定させられているのか
この視点で考え、念のため毎回つけるという使い方は避けるべきです。
使用期間・頻度の目安
腰痛がある状態では、トレーニングベルトは毎日使い続けることを前提とした道具ではありません。
使う場合は、最初に使用する期間を決めておくことが重要です。
たとえば、再開初期の数週間だけ、高重量セットのときだけ、といった具合です。
あわせて、外す基準も必ず決めておきます。
- ベルトなしでも腹圧が安定する
- 不安なくフォームを保てる
- 痛みや違和感が出なくなった
こうした変化が出てきたら、ベルトは徐々に外していく判断が必要です。
トレーニングベルトは、使い続けることが目的ではありません。
不要になったら外せる状態を目指すことが、腰痛を長引かせないための、トレーニングベルトとの正しい付き合い方です。
臨床現場で実際に多いトレーニングベルトの成功例・失敗例

トレーニングベルトは、使い方次第で腰痛を助けることもあれば、判断を誤って状態を長引かせてしまうこともあります。
整形外科クリニック、パーソナルジム、整骨院で14年以上、腰痛のある方を見てきた臨床現場では、
ベルトそのものよりも、「どう判断して使ったか」によって結果が大きく分かれます。
ここでは、実際に多かった失敗例と、一時的に役立ったケースを紹介します。
トレーニングベルト使用で腰痛が悪化したケース
14年以上の臨床経験の中で、トレーニングベルト使用が原因で腰痛を悪化させてしまったケースには、いくつか共通点があります。
多かったのは、ベルトへの依存・負荷の上げすぎ・フォームの軽視が同時に起きていたパターンです。
たとえば、腰に違和感がある状態でも、ベルトを締めれば大丈夫と判断し、重量を落とさずトレーニングを続けてしまったケース。
ベルトを使うことで一時的に不安が減り、本来なら調整すべき負荷や動作の問題に気づけなくなっていました。
結果として、フォームの乱れを無視したまま負荷をかけ続け、痛みが慢性化してしまう流れです。
このようなケースでは、ベルトを使ったこと自体が問題なのではありません。
「今は使うべき状態なのか」という判断を飛ばしてしまったことが、悪化につながっていました。
トレーニングベルトが一時的に助けになったケース
一方で、条件が揃ったことでトレーニングベルトが一時的な補助として役立ったケースもあります。
多かったのは、腰痛が落ち着き、トレーニングを再開する初期段階です。
軽〜中負荷で問題がないことを確認したうえで、
高重量に近いセット(短時間で集中する場面)だけトレーニングベルトを使い、
不安を減らしながら動作を確認していたケースです。
また、普段はトレーニングベルトを使わず、記録更新や高重量チャレンジのときだけ短時間で限定的に使用していたケースもありました。
これらに共通していたのは、常用していなかったことと、状態が変われば外す前提で使っていたことです。
トレーニングベルトは、「今は使うべきか、使わないべきか」を自分で判断できている場合に限って、判断を助ける道具になります。
不安がある人が優先すべきは「トレーニングベルト」ではない

腰に不安があると、
「とりあえずトレーニングベルトを使えば大丈夫なのでは?」
と考えてしまいがちです。
しかし臨床現場で多くのケースを見てきた中で感じるのは、
不安の正体は今の状態で何をしてよくて、何を避けるべきかという判断基準を持っていないことである場合がほとんどです。
本当に優先すべきなのは道具を足すことではなく、今のトレーニング設計が腰の状態に合っているかどうかです。
具体的には、
- 種目
- 負荷
- 順番
の3つが、今の腰の状態に対して適切かどうかを確認する必要があります。
まず見直すべきトレーニング設計の3要素
腰に不安があるとき、トレーニングベルトを検討する前に、必ず見直してほしいポイントが3つあります。
それが、種目・負荷・順番です。
まず種目です。
今の腰の状態に対して、その種目が本当に適切かどうか。
腰への負担が大きい動作を、無意識に選び続けているケースは少なくありません。
次に負荷です。
重さそのものだけでなく、回数・セット数・疲労の蓄積も含めて、今の体に合っているかを確認する必要があります。
そして順番です。
疲労が溜まった状態で腰に負担の大きい種目を後半に入れているだけで、不安や違和感が強くなることもあります。
実際の現場でも、この3つを調整しただけで、「ベルトを使わなくても不安が減った」というケースは珍しくありません。
不安があるときほど、まずはトレーニング全体の設計を見直すことが近道になります。
トレーニングベルトは腰痛の状態を確認したうえで選ぶ
トレーニングベルトが悪いわけではありません。
ただし、判断を飛ばして使ってしまうと、問題を先送りにしやすい道具でもあります。
不安があるたびにベルトに頼ってしまうと、本来調整すべき種目・負荷・順番に目が向かなくなります。
これが、道具依存につながる一番の原因です。
トレーニングベルトは、先に自分の状態を確認したうえで選ぶ道具として考えることで、
今の腰の状態を冷静に判断しやすくなります。
本当に今、必要なのか。
他に、調整すべきポイントは残っていないのか。
こうした判断を一つずつ確認していくことが、腰痛を長引かせないための土台になります。
道具に頼りすぎず、今の状態を見て判断できていること。
それ自体が、安全で信頼できるトレーニングを続けている証拠です。
腰痛がある人のためのトレーニングベルト選びの基準

トレーニングベルトを使うと判断した場合、
次に迷いやすいのが「どのベルトを選べばいいのか」という点です。
腰痛がある状態で、一般的なおすすめやランキングをそのまま当てはめると、判断を誤ってしまうこともあります。
ここでは、腰痛が不安な人がトレーニングベルトを選ぶ際に、最低限押さえておいてほしい基準を整理します。
「ランキング1位だから」「有名だから」といった理由ではなく、
今の自分の状態に合っているかどうかを軸に確認してください。
腰痛が不安な人向けのベルト選びの基準
腰痛がある状態で使うトレーニングベルトは、
役割がはっきりしているものを選ぶことが重要です。
まず重視したいのは、腹圧をしっかり受け止められる構造であることです。
見た目や装着感だけで、腹圧が正しく補助されているか分かりにくいベルトは、判断を誤りやすくなります。
素材については、柔らかさよりも、適度な硬さと固定力があることを基準に考えます。
柔らかいベルトのほうが安全とは限りません。
腰痛の方におすすめする具体例として、
ゴールドジムのトレーニングベルトは、腰痛が不安な人にも判断しやすい設計だと感じています。
- 腹圧をしっかり受け止められる剛性がある
- 締めた感覚が明確で、状態判断がしやすい
- 中途半端なサポート感になりにくい
腰痛がある場面では、「つけ心地が軽い」「締め付けが弱い」といった理由よりも、
腹圧を正しく補助できているかどうかを基準に選ぶことが重要です。
その点で、役割が明確なゴールドジムのトレーニングベルトは、判断基準を持って選びたい人にとって分かりやすい選択肢です。
※あくまで、判断基準を満たしたうえで選びやすい一例として捉えてください。
商品を検討する前に確認してほしいポイント
トレーニングベルトを具体的に選ぶ前に、必ず立ち止まって確認してほしいポイントがあります。
まず、これまで整理してきた使用OK/NGの判断基準を満たしているかどうかです。
具体的には、動作中に腰の痛みが悪化せず、
トレーニングベルトがなくてもフォームを自分で保てている状態かを確認します。
次に、今の状態に本当にトレーニングベルトが必要かどうかです。
種目・負荷・順番を調整したうえで、
それでも補助として必要だと判断できているかを見直します。
そして、外す基準まで決めているかという点です。
いつまで使うのか、どの状態になったら外すのかを決めないまま選んでしまうと、トレーニングベルトが目的化しやすくなります。
トレーニングベルトは、不安を消すための道具ではありません。
判断できている状態を支えるための補助具です。
この前提を確認したうえで商品を検討することで、腰痛を長引かせない選び方につながります。
よくある質問(FAQ)

腰痛がある状態でトレーニングベルトを使うかどうかについて、現場でも特に質問が多いポイントをまとめました。
ここでは結論を先に示したうえで、判断を誤らないための理由を簡潔に補足します。
トレーニングベルトは使い方を間違えると逆効果になりますか?
回答:はい、状態を誤ると逆効果になることがあります。
トレーニングベルト自体が悪いわけではありませんが、使うべき状態ではないのに装着すると、痛みをごまかしたまま負荷をかけてしまう原因になります。
特に、動作中に腰の痛みが増える状態や、ベルトがないとフォームを保てない段階で使うと、結果的に腰痛を長引かせてしまうことがあります。
腰が痛いとき、コルセットをしながら筋トレしていい?
回答:原則として慎重に判断すべきです。
コルセット(腰用サポーター)は、日常生活や安静時の負担軽減を目的とした道具です。
動作を制限する設計のものが多いため、筋トレ中に使うとフォームが崩れたり、違和感に気づきにくくなることがあります。
使う目的と場面が本当に合っているかを、慎重に判断する必要があります。
トレーニングベルトは何キロ(kg)から必要ですか?
回答:重量(kg)ではなく、腹圧が崩れる負荷が基準です。
同じ重量でも、体調や疲労の状態によって腹圧の入りやすさは変わります。
「何キロから」という数字で判断すると、状態に合わない使い方になりやすくなります。
腹圧が自力で保てなくなる負荷かどうかを、その日の状態で判断することが重要です。
革とナイロンはどちらがいい?
回答:固定力と使用目的で判断します。
革製ベルトは剛性が高く、腹圧をしっかり受け止めたい場面に向いています。
一方、ナイロン製は軽く調整しやすい反面、腹圧補助が曖昧になりやすい場合があります。
どちらが優れているかではなく、今の腰の状態と使用目的に合っているかで選ぶことが大切です。
トレーニングベルトは筋トレのたびに毎回つけたほうがいい?
回答:毎回つける使い方は推奨しません。
トレーニングベルトは、筋トレのたびに常に装着することを前提とした道具ではありません。
毎回つけ続けてしまうと、腹圧を自分で作る感覚が育ちにくくなり、判断がトレーニングベルト依存になりやすくなります。
使う場合は、高重量・短時間など必要な場面に限定し、あらかじめ頻度や期間、そして外す基準を決めたうえで使用することが重要です。
まとめ|腰痛時の筋トレは「道具」より「判断」がすべて

腰痛があると、「トレーニングベルトを使うべきかどうか」で悩みがちですが、本当に大切なのは道具そのものではありません。
トレーニングベルトは、腰痛を解決するものではなく、状態を正しく判断できている場合に限って補助になる道具です。
判断を飛ばして使えば、かえって腰痛を長引かせてしまうこともあります。
腰に不安があるときほど、まずは種目・負荷・順番といったトレーニング設計が今の状態に合っているかを見直してください。
それだけで不安が解消するケースも少なくありません。
それでも迷う場合は、腰痛時の筋トレ判断を体系的に整理した以下の記事も参考にしてみてください。
正しい判断基準を持つことが、安全に筋トレを続けるための一番の近道です。
参考文献・引用元
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英国国立医療技術評価機構(NICE)
https://www.nice.org.uk/guidance/ng59 - Qaseem A, et al. (2017)
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