- ゴムチューブの強度・形・100均チューブの選び方
- ドア・柱・手すりへの固定方法と事故防止チェックリスト
- 腰痛でもできるチューブメニュー3種目(チューブロー・パロフプレス・お尻)
- 腰を悪化させない負荷の上げ方のルール
- チューブからジムのマシンへ移行するタイミングの目安
チューブは引っ張る長さや立ち位置を変えるだけで負荷を細かく調整できるため、腰に不安がある時期にも使いやすい道具です。
ただし、固定が甘いと飛んだり外れたりするリスクがあるので、固定方法の確認が先決になります。
翌日の痛みの変化を確認しながら、「フォームが崩れない時間」を基準に少しずつ強くしていくのが、腰を悪化させないコツです。
監修・執筆:ブラック太郎
柔道整復師・鍼灸師・NASM-PES認定。
整形外科クリニック/パーソナルトレーニングジム/整骨院にて14年以上、腰の悩みと運動指導に携わってきました。
結論:腰痛でもチューブ筋トレは「負荷調整×固定」で安全に続けられる

腰に痛みや不安が残っている時期は、いきなり重りを増やすより、痛みが増えない範囲で刺激を足すほうが安全です。
腰痛があっても筋トレを続けたい人向けに、ゴムチューブ(トレーニングチューブ/レジスタンスバンド)で負荷を調整しつつ、安全に固定して行うコツをまとめます。
2018年に発表された研究では、レジスタンスバンドを使ったトレーニングが、腰痛のリハビリプログラムにおいて一般的な運動と同程度の効果を持つ可能性が示されています。
この記事では、その動きを自宅で安全な範囲に落とし込むことを前提にしています。
チューブは、引っ張る長さや立ち位置を少し変えるだけで負荷を細かく調整でき、腰の痛みや張りが増えた場合にその場ですぐ負荷を下げられるのが強みです。
臨床の現場でも、自重が物足りない一方でダンベルが怖いクライアントほど、いきなり高負荷にするより、段階を作れるチューブのほうが不安が減りやすい印象でした。
- 最弱チューブから始めます(立ち位置で負荷を調整します)
- 固定はいきなり全力で引かず、まずは少しだけ張ってズレないか確認します
- チューブロー20秒+パロフプレス20秒だけで終了します
- 左右がある種目は左右20秒ずつ(合計1セット)でOKです
- 翌朝の痛みが前日と同じなら、次回は+5秒だけ延ばします(40秒になったら次のステップへ移ります)
※しびれが増える・力が入りにくいなど不安が強い場合は、無理に進めず「痛みが増えたときの中止・受診の判断」を先に確認してください。
ゴムチューブで腰痛の筋トレの効果・メリット・デメリット(ダンベルとの比較)
チューブをダンベルと比べたとき、腰痛がある時期に選ぶ理由がいくつかあります。
メリット
- 負荷の微調整が簡単
- 立ち位置を変えるだけで負荷が変わるため、痛みの具合に合わせてその場で対応しやすいです
- 反動が出にくい
- チューブは伸びるほど負荷が増す特性上、勢いをつけて引くと逆に抵抗が増します。結果として自然に丁寧な動きになりやすいです
- 自宅で使える
- ジムに行けない日でも、固定場所さえあれば継続できます
- 軽くて収納しやすい
- 腰が痛い時期の外出が減りがちな人でも、自宅でそのまま使えます
デメリット(知っておくべき点)
- 固定が必要
- この記事で詳しく解説していますが、固定が甘いと事故リスクがあります
- 負荷の上限がある
- チューブは一定以上の重量を再現しにくいため、筋肉が強くなった段階ではマシンやダンベルのほうが向いています
- チューブの劣化がある
- 消耗品として定期的な交換が必要です
腰痛の「動き始め」の時期にはメリットが大きく、回復が進んでジムへ移行する目安は後述します。
腰痛でもできるチューブ筋トレ|チューブの選び方(強度・形・100均)

腰痛がある人の筋トレは最弱チューブ+握りやすい形から始めるのが基本で、まず道具選びで失敗しないことが先決です。
ここで言う「チューブ」は、ゴムバンド・レジスタンスバンド・トレーニングチューブなど呼び方はさまざまですが、すべて同じ道具を指しています。
選び方を間違えると腰を鍛える前に手首や肩・ひざがつらくなりがちで、握りにくさや姿勢の崩れが別の場所への負担に直結します。
逆に強度と形を合わせるだけで、腰の痛みを増やさない範囲で負荷を調整しやすくなります。
ここでは「①強度」「②形」「③100均の扱い」に絞って迷わず選べる内容にまとめました。
固定方法や事故防止のコツは次の章で詳しく解説します。
腰痛のときチューブの強度はどれを選べばいい?
腰痛の時期に大事なのは「きつさ」より「痛みが増えない範囲での負荷」を積み重ねることです。
だから最初は、いちばん弱い強度からで問題ありません。
目安はシンプルです。
- 10回やっても、腰が反る・丸まるなどの姿勢の崩れが出ない強度を選びます
- 「効いてる感じが弱い」はOKです
- 腰に不安が出る(痛みが増える・張る・刺さる・動作が詰まる)ならNGです
立ち位置を変えてチューブを長く伸ばすほど、負荷は上がります。
慣れたら「固定点からの距離(=立ち位置)→回数→セット数」の順で上げると腰に優しいです。
現場でも、強いチューブで始めたクライアントほど反動が出て腰が不安定になりがちでした。
まずは最弱で動きを整え、あとから立ち位置で負荷を強くするほうが再現性が高いです。
ループ/ハンドル付き等の違い
形は「やりたい動き」と「持ちやすさ」で決めると迷いません。
- ループ(輪っか)
- 足にかけやすく、下半身や横歩き系と相性がよいです。短めなので細かい調整もしやすいです
- ロングバンド(長い帯)
- 握り方や結び方で幅広く使えます。立ち位置で負荷が変えやすい反面、握力が先に疲れやすい面もあります
- ハンドル付きチューブ
- 手がすべりにくく、引く・押す動きが安定します。腰より先に「手が限界」になりにくい点がメリットです
腰痛がある時期は、余計な力みが出るとフォームが崩れやすいので、最初は握りやすいハンドル付きから入るのも良い選択です。
下半身メインならループが使いやすいです(足にサッとかけるだけで始められます)。
100均のチューブは腰痛の筋トレに使えますか?
腰痛がある時期には、基本的には推奨しません。
切れたり外れたりすると顔に当たる危険があり、劣化の速さも市販のスポーツ用チューブより早いためです。
まず最初からスポーツ用品のチューブを選んでおくほうが、安全面での余計な不安を抱えずに済みます。
それでも「まず試してみたい」という場合は、毎回使用前の劣化チェックを必須条件として行ってください。
使う前に最低限ここだけ確認してください。
- ひび割れ
- 表面に細い線、白っぽい亀裂、粉っぽさがあれば使用中止です
- 伸び切り
- 引っ張って戻りが弱い/長さが戻らないなら交換します
- ベタつき・変色
- 劣化が進んでいるサインになりやすいです
さらに、最初の数回は「軽く引く→戻る」を確認してから動きに入ります。
チェックを1回でも省いたら、その日は使わないでください。
ジムでマシン中心に進めたい場合は、「腰痛向けジムマシンルーティンの組み方」を先に確認しておくと迷いが減ります。
腰痛のチューブ筋トレで失敗しない固定方法と安全チェック

チューブは「選び方」より、実は固定のしかたで失敗が起きます。
固定が甘い(ズレる・抜ける・ドアが動く)と、腰に効く前に飛ぶ・外れる・切れるリスクが上がります。
場所別の注意点とチェックリストを使って、事故を防ぐポイントを押さえていきましょう。
固定する場所に不安があるなら、チューブは無理にやらず、「道具なしでできる腰痛向け自重メニュー」に切り替えてください。
ドアへのチューブ固定は安全ですか?やり方と注意点は?
条件を守れば安全に使えますが、間違えると一番危ない固定方法でもあります。ポ
イントは「開く方向」と「ヒンジ側(蝶番)」の理解です。
基本ルール:ドアが開かない方向へ引く
自分側に引いて開くドアなら、アンカーは反対側にセットしてください。
開く方向へ引くと、ドアが開いた瞬間にチューブが飛びます。
設置位置もヒンジ側(蝶番の近く)が外れにくく、安全です。
取っ手側は、ドアがしなる・隙間ができる・外れるといったトラブルが起きやすいです。
最後に「抜けないか」を必ず試してから本番に入ります。
いきなり引き切らず、最初は軽く引いてドアが動かないかを確認し、問題なければ少しずつ強くしてください。
事故防止チェックリスト(ドア固定)
- ガラス戸・引き戸・古い建て付けのドアではやらない
- アンカーは「ヒンジ側」に寄せてセットする
- ドアは最後まで閉め、できれば施錠しておく
- ドアの開く方向に引いていない(開かない方向へ引く)
- 最初は小さく引き、抜け・ズレ・音がないか確認する
- ドアの向こう側に人がいない状態で行う
柱や手すりでチューブを固定する方法(ズレ・摩耗の対策)
柱や手すりは「丈夫そう」に見えても、滑り・ズレ・角での劣化が起きます。
固定のコツは、動かない場所とチューブが傷まない当て方の2点です。
まず、動く物はすべてNGです。
タオル掛け・突っ張り棒・軽いラックなどは想像より簡単に外れ、手すりも壁付けが弱いものだとグラつくので、必ずしっかり確認してください。
次に、角が鋭い場所は避けてください。
角でこすれるとチューブは早く傷むので、必要なら布を一枚かませて摩擦と食い込みを減らします。
固定は「巻いて止める」が基本です。
ループなら柱に回して引っかけ、ロングなら巻いてから握りやすい長さを確保します。
引くほど締まらない結び方は使わないでください。
事故防止チェックリスト(柱/手すり固定)
- ぐらつく物・動く物には固定しない(タオル掛け等はNG)
- 鋭い角・ザラザラ面は避ける(切れ・摩耗の原因)
- 布をかませて滑りと摩擦を減らす(必要な場合)
- 引く前に小さく3回引いて、ズレないか確認する
- 固定点の周り前後左右1mに当たる物がない状態で行う
引っ張る方向と体の立ち位置(顔に飛ばない設計)
チューブ事故の多くは、切れた瞬間より「外れた瞬間」に起きます。
だから設計は、外れても顔に来ない立ち位置を先に作るのが正解です。
固定点と自分を一直線に結ぶライン上に、顔を置かないでください。
基本は体を少し斜めにして、ラインの外側に頭を逃がす形です。
ダルンと垂れたチューブから急に引くと勢いでテンションがかかって外れやすくなるため、最初は軽く張って安定を確認してから立ち位置を取りましょう。
事故防止チェックリスト(方向・立ち位置)
- 固定点〜自分を結ぶ直線上に顔を置かない(頭をライン外へ)
- チューブがダルンと垂れた状態で引かない(軽く張ってから始める)
- 引く前に「固定点・チューブ・手の位置」を3秒見る
- 前後左右1mに、人と壊れやすい物がない状態で行う
- 反動で戻さない(戻す局面こそ外れやすい)
腰痛向けチューブトレーニングメニュー(自宅・初心者向け)

腰痛があっても、ゴムチューブなら負荷を調整しながら筋トレを続けやすいです。
ここからは、腰に不安がある初心者でも組みやすいチューブメニューを3つだけ紹介します。
2021年に発表された運動療法のシステマティックレビューでは、継続的な運動が慢性腰痛の痛みと機能改善の一助になる可能性が示されています。
「引く・押す・お尻」の3方向を押さえると、腰だけに負担が集まりにくい構成にできます。
全部こなそうとしなくて大丈夫です。
今日は1〜2種目だけ選び、痛みが増えない範囲で切り上げてください。
①チューブロー(引く)|腰痛でも姿勢を支える
狙い
背中(肩甲骨まわり)を使って、胸と腰の姿勢を安定させます。
腰を反って頑張りやすい人ほど、ローを丁寧にやると腰の力みが抜けやすいです。
フォーム
- チューブのアンカー高さは、みぞおち〜胸の高さにします(引いたときに手がみぞおち〜胸の前に来て、肘が体の横を通る高さが目安です)
- 足は腰幅、ひざは軽くゆるめます
- 息を吐いて、みぞおちが前に突き出ない姿勢を作ります(胸を張りすぎない)
- 首をすっと伸ばし、背中を反らさずまっすぐ保ちます(あごは軽く引く)
- 肩をすくめず、肩甲骨を軽く下げたまま、息を吐きながら肘をうしろへ引きます
- 肘は体の横を通すイメージで引きます。後ろへ引きすぎないでください
回数
動きに慣れてきたら8〜12回×2セットを目安にします(余裕があれば3セットまで)。
最初は回数より「フォームが崩れない時間」を優先してください。
まずは後述の負荷調整ルール(20秒×時間管理)から始めて、フォームが安定してから回数管理に切り替えると安全です。
NG
- 腰を反らして引く
- 反動を使って勢いよく引く
- 肩をすくめる/首が前に出る
- 戻すときに力が抜けて姿勢が崩れる
痛みが出たら
- 固定点(ドアアンカー/柱)に一歩近づき、チューブの伸びを減らします(負荷が下がります)
- 動かす幅を半分にして、「引いて2秒止める」に変えます
- 固定の高さを少し下げ、肩がすくみにくくします
- しびれが増える・痛みが広がる場合は中止し、「痛みが増えたときの中止・受診の判断」へ
②パロフプレス(押す)|腰痛でもねじれに耐える
狙い
腰をねじって鍛えるのではなく、「ねじれに耐える力」を作ります。
日常のひねり動作で腰が痛くなりやすい人の土台作りに向きます。
フォーム
- アンカーの高さはみぞおち〜胸にします
- チューブが体の右(または左)から引っ張る向きに立ちます
- 両手を胸の前に構えた時点で、チューブがたるまない程度に張る位置まで離れます
- 肘を伸ばし切る手前まで押し出します(肩がすくむ所まで押さない)
- 体は正面のまま、骨盤も回さずに2秒キープします
- そのまま胸の前へ戻します
回数
左右6〜10回×2セット(きつい日は「押して2秒キープ」を左右5回でもOK)。
最初は回数より「フォームが崩れない時間(20秒)」を優先してください。
慣れてから回数管理に切り替えます。
NG
- 体ごと回ってしまう(ねじれを逃がす)
- 息を止める
- 胸を反らして肋骨が開く
- 腰が反って前に流れる
痛みが出たら
- 固定点(ドアアンカー/柱)に一歩近づき、チューブを伸ばす量を減らします(負荷が下がります)
- 押し出す距離を短くします(胸の前から半分だけ)
- 立位が不安なら、ひざ立ち(片ひざ)に変えると安定しやすいです
- 腰に刺さる痛みが出るなら中止し、「道具なしでできる腰痛向け自重メニュー」へ戻します
③お尻(ヒップエクステンション/サイドステップ系)
A)ヒップエクステンション(後ろへ蹴る)
狙い
お尻で脚を後ろへ動かし、腰のがんばりを減らします。
「立つ・歩く」で腰が張りやすい人の下準備になります。
フォーム
- ゴムチューブを足首(またはひざ上)にかけます
- 体はまっすぐ、片手は壁に添えてもOKです
- 息を吐きながら、片脚を後ろへ小さく動かします
- 腰を反らさず、お尻に力が入った所で止めます(腰ではなくお尻が主役)
- ゆっくり戻します
回数
左右10回×2セット(余裕があれば3セット)。
最初は回数より「フォームが崩れない時間(20秒)」を優先してください。
慣れてから回数管理に切り替えます。
NG
- 腰を反らして脚を上げる
- 上体が前後に揺れる
- つま先が外に向きすぎて股関節が詰まる
痛みが出たら
- 動かす幅を半分にします
- チューブ位置を「足首→ひざ上」に変えて軽くします
- 腰に来るなら中止し、まずヒップリフトで「お尻で支える感覚」を作るのも有効です
- ヒップリフトで詰まり感が出る人は「股関節の詰まりを解消する調整ドリル」へ
B)サイドステップ(横歩き)
狙い
横方向のお尻(外側)を使い、骨盤のブレを減らします。歩くときに腰が揺れて疲れる人に相性がよいです。
フォーム
- ゴムチューブは「ひざ上」から開始します(慣れたら足首へ)
- 足は肩幅より少し狭く、軽くしゃがみます
- つま先とひざの向きをそろえます
- 息を吐きながら、横へ小さく1歩→反対も寄せます
- 骨盤が左右に揺れない小さめの歩幅で続けます
回数
片道6〜10歩×2往復(合計2セット)。
最初は回数より「フォームが崩れない時間(20秒)」を優先してください。
慣れてから回数管理に切り替えます。
NG
- ひざが内側に入る
- 上体が左右に倒れる
- 歩幅を大きくしすぎて腰が反る
- 反動で強く踏み込む(音が大きくなる)
痛みが出たら
- しゃがみを浅くします
- チューブ位置を「足首→ひざ上」に戻します
- 歩幅を小さくして、回数も半分にします
- 腰より先に股関節が詰まる感覚が強いなら、「股関節の詰まりを解消する調整ドリル」へ
腰痛を悪化させないチューブ筋トレの負荷の上げ方(負荷調整ルール)

チューブは便利ですが、上げ方を雑にすると腰がぶり返します。
安全に強くするコツは、その場の頑張りではなく翌日の状態で判断することです。
腰痛があってもチューブ筋トレを続けるなら、負荷の上げ方のルールが最重要な鍵になります。
アメリカ内科学会が2017年に示した腰痛の治療ガイドラインでは、慢性腰痛に対して運動療法が非薬物療法の第一選択として推奨されています。
腰に痛みがある時期は「その場の頑張り」ではなく翌日の状態を見ながら進めることが安全につながる。
これが14年間の現場での実感です。
ここでは「フォームが崩れない時間」と「翌朝の痛みの変化」の2つを自己調整の軸にします。
負荷は「階段を1段ずつ上がる」感覚で、上げ幅は小さく抑えてください。
回数より「フォームが崩れない時間」を優先(負荷調整の基準)
回数は数えやすい一方で、スピードが変わると負荷も変わります。
腰痛がある時期は、ここでフォームが崩れやすいので、まずは時間で合格ラインを作ります。
やり方(基準の作り方)
- 1種目につき、最初は20秒だけ動きます
- 20秒の間、次の3つが守れたら合格です
- 腰が反る/丸まるが増えない
- 息が止まらない(吐ける)
- 反動で勢いよく引かない/押し出さない
増やし方(段階ルール)
- 合格したら、次回は+5秒だけ延ばします(25秒→30秒)
- 40秒まで合格が続いたら、次の段階に進みます
- 次の段階は「固定点から一歩離れる(チューブの伸びを増やす)」などで負荷を上げ、時間は20秒に戻すと安全です
現場でも、回数を追うほど最後の数回でフォームが崩れ、腰に負担が集中しがちでした。
タイマーで短く区切るほうが、姿勢が安定したまま続く印象です。
翌朝の変化で負荷を判断する(上げる・据え置く・戻す)
その場で平気でも、翌朝にズンと来るパターンがあります。
だから判断は「当日」ではなく、翌朝にします。
トレーニング直後(終わって5分以内)と翌朝(起床して最初の一歩の時)の2回、痛みの変化を「前日より増えたか・同じか・減ったか」で確認してください。
- 負荷を上げる(次回1段階アップ):翌朝に痛みの増加がなく、動き始めで消える程度の違和感にとどまる状態が2回続いたとき
- 負荷を据え置く(同じで継続):翌朝に痛みが少し増えているが日中に戻る、という状態のとき
- 負荷を戻す(1段階ダウン):翌朝の痛みが明らかに増えている、または腰からお尻・脚へ広がる感じがあるとき
痛みの変化の記録方法や、詳しい判断フローは「腰痛の筋トレ再開タイミングの判断基準」でまとめています。
しびれが増える・力が入りにくい・咳やくしゃみで強く響くなどがある場合は中止し、まずID9の判断フローを確認してください。
腰痛のチューブ筋トレからジムへ移行する目安(別記事)

チューブは「腰にやさしく始めて、家で続ける」には最適です。
一方で、負荷をさらに上げたい段階ではチューブよりマシンのほうが安全に強くできる場面も出てきます。
ジムへ移行してOKな目安は以下の通りです。
次の条件がそろったら、移行を考えて問題ありません。
腰痛向けのマシン筋トレルーティンは別記事で解説
- チューブメニューを週2〜3回のペースで、数週間続けられた(現場での経験では2〜4週間を目安に変化を感じるクライアントが多かった印象ですが、個人差があります)
- 翌朝の痛みが前日と同じか、変化なしが安定してきた
- フォームが崩れずに、狙った部位に効く感覚が出てきた
- もっと負荷を上げたいが、チューブの固定や安全面が不安になってきた
この段階から先は、マシンのほうがフォームが崩れにくい状態で負荷を上げやすく、腰を痛めにくいです。
ただし、マシン種目は選び方と順番で効果が大きく変わります。
そのため、マシン中心のルーティン(種目・順番・負荷の決め方)は「腰痛向けジムマシンルーティンの組み方」にまとめました。
次に何をやるか迷う人はそのまま進めてください。
腰痛改善のためのチューブ筋トレまとめ|負荷調整と固定の要点

チューブは、腰に不安がある時期でも「軽く始めて強くできる」のが強みです。
ただし効果を出すコツは、順番を守ることです。
NICEの腰痛ガイドライン(2016年)では、腰痛があっても動き続けることが推奨されており、WHO(2023年)の慢性腰痛ガイドラインも運動継続の重要性を強調しています。
チューブを使った段階的なトレーニングは、その「動き続ける」を実践しやすい選択肢の一つといえます。
まとめ①:選び方
最初は最弱でOKです。
痛みが出ない強度を選んでください。
形は、下半身ならループ、握りやすさ重視ならハンドル付きが無難です。
100均チューブは腰痛がある時期には基本的に推奨しません。
使う場合は、ひび割れ・伸び切り・ベタつきの劣化チェックを毎回必ず行ってください。
まとめ②:固定(安全が最優先)
ドア固定は「開かない方向へ引く」「ヒンジ側に寄せる」が基本です。
柱や手すりは、ぐらつきと角での摩耗に注意してください。
引くライン上に顔を置かない立ち位置にすると、事故リスクが下がります。
まとめ③:腰にやさしい3種目(初心者向け)
- 引く:チューブローで姿勢を支えます
- 押す:パロフプレスでねじれに耐えます
- お尻:ヒップエクステンション/サイドステップで負担を分散します
※ヒップリフトで詰まり感が出る人は、「股関節の詰まりを解消する調整ドリル」へ
まとめ④:段階の上げ方(悪化させない)
回数より「フォームが崩れない時間」を優先します。
翌朝の痛みの変化で、上げる/据え置く/戻すを決めてください。
その場で頑張らず、翌日まで含めて安全に進めます。
次にやること
まずは今日、チューブロー+パロフプレスを「20秒ずつ」だけやってみてください。
左右がある種目は左右20秒ずつ、合計1セットだけでOKです。
腰に違和感が増えなければ、次回は+5秒でOKです(上限40秒。それ以降は負荷調整ルールで次の段階へ)。
- 固定が不安な人→「道具なしでできる腰痛向け自重メニュー」へ
- 痛みの判断で迷う人→「腰痛の筋トレ再開タイミングの判断基準」へ
- ジムのマシンで強くしたい人→「腰痛向けジムマシンルーティンの組み方」へ
参考文献
- Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA; Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2017. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28192789/
- Hayden JA, Ellis J, Ogilvie R, Malmivaara A, van Tulder MW. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2021. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34580864/
- Iversen VM, Vasseljen O, Mork PJ, et al. Resistance band training or general exercise in multidisciplinary rehabilitation of low back pain? A randomized trial. J Rehabil Med. 2018. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29603805/
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management. NICE guideline NG59. 2016. https://www.nice.org.uk/guidance/ng59
- World Health Organization (WHO). WHO guideline for the management of chronic primary low back pain. 2023. https://www.who.int/publications/i/item/9789240081789
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