「腰が痛いから、しばらく筋トレはやめておこう…」
そう考えて、運動をガマンしていないでしょうか。
じつは、一部の例外をのぞけば、腰痛があっても「正しい筋トレ」は改善に役立ちます。
逆に、怖がって動かさない期間が長くなるほど、筋力や柔軟性が落ちて、腰への負担が増えやすくなります。
この記事では、
- 腰痛でも筋トレをしていい状態かどうかの見極め方
- 腰を悪化させないためのNG動作・注意点
- 自宅でできる腰痛向けの安全な筋トレメニュー
- 受診が必要な危険サインと、日常生活での姿勢のコツ
を、柔道整復師・鍼灸師・NASM-PESとして14年間の臨床経験をもつ筆者がわかりやすく解説します。
「もう腰痛で悩みたくない」
「自宅でできることから始めたい」
という方は、
ぜひこの記事を読み進めながら、できそうなところから一つずつ実践してみてください。
腰痛持ちにこそ筋トレは必要。正しく行えば痛み改善が期待できる

「腰が痛いときは安静にしたほうがいい」
→これは、昔の常識です。
現在は、医学的にも臨床的にも
「適切に体を動かすほうが回復が早い」
ことが明らかになっています。
実際に私は14年間、整形外科や治療院で多くの腰痛クライアントを担当してきましたが、
正しい筋トレを取り入れた方ほど痛みの改善が早く、再発しにくい体を手に入れています。
もちろん、どんな腰痛でも筋トレをしていいわけではありません。
しかし、動かすべき状態と注意すべき状態を見極めて取り組めば、
腰への負担が減り、姿勢が整い、日常動作がスムーズになっていきます。
ここからは、腰痛持ちの方が安心して取り組めるよう、
「筋トレが有効な理由」と「やってはいけない動きの境界線」
をわかりやすく解説していきます。
腰痛でも筋トレは「基本OK」守るべき3つの条件
腰痛があっても、多くの場合は筋トレを続けて問題ありません。
むしろ、適切に体を動かすことで血流が促され、腰を支える筋肉の働きが安定しやすくなります。
私が整形外科クリニックで指導してきたクライアントでも、正しい条件を守って動かすことで症状が軽くなるケースが非常に多いです。
ここでは、安全にトレーニングを続けるための3つのチェックポイントをまとめます。
①動かすと痛みが軽くなるタイプはOK
体を動かしていくうちに腰の重だるさが和らぐ場合は、筋トレを続けても基本的に問題ありません。
血流が改善し、固まっていた筋肉がゆるむことで腰の負担が減るためです。
実際、現場でも動作によって痛みが軽減するタイプは改善が早い傾向があります。
ただし、「できるだけ楽な範囲で動かす」「呼吸を止めない」など、刺激を入れる場所をコントロールする意識が大切です。
動かしていく中で痛みが強くなる場合は、その時点でストップしましょう。
②動かすと刺すような痛みが走るタイプはNG
前に倒したとき、反ったとき、ひねったときなどに鋭い痛みがピンポイントで出る場合はトレーニングを中止してください。
これは筋肉のコリではなく、関節・椎間関節・神経周囲などのストレスが強くなっているサインです。
臨床では、この「刺す痛み」を無視して負荷をかけ続けた結果、数日後に痛みが悪化して来院するケースも多く見られました。
腰痛トレーニングは、「鈍い張り」「軽い違和感」程度であれば許容できますが、鋭い痛みだけは確実にNGと覚えておいてください。
③しびれ・脱力がある場合は運動中止
足に力が入りにくい、感覚が鈍い、ピリピリとしたしびれが続くなどの症状がある場合は、筋トレを中断し医療機関の受診を優先してください。
これらは坐骨神経症状や椎間板由来の問題、あるいは神経根レベルで負荷が強くなっているサインの可能性があります。
私は臨床で多くの腰痛クライアントを診てきましたが、しびれや脱力を伴うタイプは運動継続よりも評価と休息を優先したほうが安全です。
無理に筋トレを続けると、症状が長期化する可能性があります。
この章のまとめ:安全に動かすための判断基準
- 痛みが動くほど軽くなる→OK
- 鋭い痛みが走る→NG
- しびれ・脱力がある→中止・医療機関へ
腰痛と筋トレは相性が悪いどころか、条件が合えばむしろ改善に役立ちます。
腰痛改善に筋トレが必要な理由(生体力学的メカニズム)
腰痛を改善するためには、痛みのある部分だけに注目するのではなく、全身がどのように協調して動いているかを理解することが大切です。
私はこれまで臨床で多くの腰痛クライアントをみてきましたが、痛みが続くケースほど「体がうまく連動していない」傾向が強く見られました。
ここでは、腰痛改善に筋トレが欠かせない3つの理由を、生体力学の観点からわかりやすくまとめます。
①体幹が安定し、腰椎への負担が減る
腰椎が安定して動けるかどうかは、腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋といったインナーユニットの働きに左右されます。
これらの筋肉が適切に働くことで、腰をコルセットのように支え、過度な揺れやねじれを防ぎます。
しかし、腰痛がある人の多くは、お腹まわりの筋肉がうまく使えておらず、日常動作で腰のみが過剰に動くパターンが目立ちます。
その結果、前かがみ・ひねり・反りなどの動作のたびに腰椎に負担が集中してしまいます。
体幹トレーニング(デッドバグやサイドプランクなど)で腹横筋が働き始めると、腰椎の動きが安定し、痛みの悪循環を断ち切りやすくなります。
実際に、臨床でも体幹の安定性が向上した瞬間に痛みが軽くなるクライアントは非常に多いです。
②お尻の筋肉が働くことで姿勢が整う
大殿筋・中殿筋は、歩行・立位・しゃがみ動作のすべてで腰を守る役割を担っています。
特に大殿筋は、骨盤の位置を安定させる土台のような存在です。
腰痛が続く人を評価すると、
- お尻がうまく使えず太ももばかりに力が入る
- 骨盤が前に傾きすぎて反り腰になる
- 逆に丸まりすぎて猫背になる
といった姿勢バランスの崩れがよく見られます。
大殿筋が働くようになると、骨盤がニュートラルの位置に近づき、腰にかかる負担が大幅に軽減します。
ヒップリフトやワイドスクワットなどは、腰痛クライアントの姿勢改善に直結するため、現場でも優先的に指導してきたメニューです。
③股関節が使えると、腰の代償動作が消える
腰痛が起きる背景には、股関節が十分に動いていないという問題があります。
本来、前屈・後屈・回旋・しゃがみ動作は股関節が中心となって動くべきですが、股関節の可動域が低下すると、その不足分を腰が動いて補います。
これが「代償動作」です。
代償が続くと、腰椎を支える筋肉や靭帯にストレスが蓄積し、慢性的な痛みにつながります。
たとえば、
- 前かがみで腰が丸まりすぎている
- 立ち上がるとき腰が反りすぎる
- 歩くとき骨盤が左右に揺れすぎる
これらはすべて股関節がうまく働かないサインです。
股関節の動きを改善するためには、立ってもも上げ(腸腰筋)やバードドッグなどで股関節の曲げ伸ばしを正しく引き出すことが効果的です。
股関節が主体となって動き始めると、腰が無駄に動かなくなり、痛みの出ない体に近づきます。
この章のまとめ:腰痛改善は動きの土台づくりから
- 体幹が安定すれば、腰椎の負担が減る
- お尻が働けば、姿勢が自然に整う
- 股関節が使えると、腰の代償動作が消える
この3つが整うことで、腰痛は再発しにくくなります。
腰痛が筋トレで改善する科学的根拠

腰痛の多くは、筋肉の弱さや姿勢の乱れ、体の使い方の偏りが積み重なることで起こります。
これらはすべて、トレーニングによって改善できる領域です。
私は臨床で14年間、多くの腰痛クライアントを指導してきましたが、
筋トレで体の土台が整った瞬間に痛みが軽減するケースを数えきれないほど経験してきました。
ここでは、腰痛が筋トレで改善する科学的理由を4つの視点からわかりやすく解説します。
理由①多裂筋・腹横筋が天然のコルセットとして働く
腰を安定させるうえで最も重要なのが、背骨の深層にある多裂筋と、お腹の深層に位置する腹横筋です。
これらは体幹のインナーマッスルと呼ばれ、腰椎の前後左右の揺れを抑え、背骨を支える役割を果たします。
ところが、腰痛がある人の多くはこれらの筋肉がうまく働いておらず、その結果として腰だけが過剰に動き、負担が一点に集中します。
デッドバグやサイドプランクなどの体幹トレーニングを行うと、多裂筋と腹横筋が連動して働き、背骨が安定しやすい状態が作られます。
インナーが機能しはじめると、日常動作の前かがみ・ひねり・歩行などでも腰の負荷が減り、痛みの改善につながります。
理由②大殿筋・中殿筋の強化で反り腰・猫背が改善する
腰痛の背景には、姿勢の乱れが深く関わっています。特に多いのが、
- 骨盤が前に傾きすぎる反り腰
- 骨盤が後ろに倒れる猫背
の2つです。
これらの姿勢に共通するのは、お尻(大殿筋・中殿筋)の働きが弱いことです。
お尻は骨盤の角度をコントロールする土台の筋肉で、十分に働くことで立位や歩行が安定し、腰への負担が大幅に軽減します。
ワイドスクワットやヒップリフトなどでお尻の筋肉を強化すると、骨盤がニュートラルの位置へ戻りやすくなり、反り腰や猫背が自然に整います。
姿勢が改善すると、腰椎にかかるストレスが減り、慢性的な痛みが和らぎやすくなります。
理由③股関節の可動性が上がると腰椎の負担が減る
腰痛が続く人の多くは、前屈・後屈・ひねりなどの動きで腰が過剰に動き、股関節が十分に使えていない状態になっています。
これは、可動域が狭い股関節を補うために、腰が無理に代償している状態です。
股関節の動きが改善すると、しゃがむ・立ち上がる・歩くといった動作で腰ではなく股関節がメインで動くようになり、腰椎への負荷が劇的に軽減されます。
たとえば、立ってもも上げ(腸腰筋)やバードドッグなどのトレーニングは、股関節の曲げ伸ばしや安定性を高めるのに非常に効果的です。
股関節がしっかり機能すれば、腰の代償動作が減り、動くたびに起きていた痛みが改善されやすくなります。
理由④血流改善により腰周囲の緊張が和らぐ
筋トレは筋肉を強くするだけでなく、血流を促して筋肉の緊張を和らげる効果があります。
腰痛クライアントの多くは、腰まわりの筋肉が固まり、酸素や栄養が届きにくい状態になっています。
軽めのトレーニングを続けると血流が改善し、腰まわりに溜まっていた疲労物質が流れやすくなります。
これにより、
- 腰の重だるさ
- 張り感
- 朝のこわばり
といった症状が軽くなり、動き始めがスムーズになります。
さらに、適度な運動はストレス軽減や睡眠の質向上にもつながり、自律神経の乱れから来る腰痛の改善にも役立ちます。
▼この章のまとめ:筋トレは腰痛改善の3本柱をすべて満たす
- 体幹が安定する→腰椎の負担が減る
- お尻が働く→姿勢が整い腰の負担が減る
- 股関節が動く→腰の代償動作が消える
- 血流が良くなる→筋緊張が和らぐ
この4つがそろうことで、腰痛は改善しやすくなり、再発しにくい体に近づきます。
腰痛でも安全にできる筋トレメニュー6選

腰痛改善には、腰そのものを鍛えるのではなく、腰を支える筋肉・関節・体幹の使い方を整えることが大切です。
ここでは、臨床現場でも効果が高かった6つのトレーニングを、初心者でも取り組みやすい順番で紹介します。
①ヒップリフト(お尻・ハムを鍛え腰の負担を軽減)
●効果
ヒップリフトは、腰痛改善の要となる大殿筋(お尻)とハムストリングスをまとめて鍛えられる種目です。お尻がしっかり働くようになると、骨盤の位置が安定し、腰だけに負担が集中する状態を防ぎます。
腰痛クライアントでも最初に取り入れやすい、安全性の高いトレーニングです。
●手順
- 仰向けに寝て、膝を90度ほどに曲げる。
- かかとを床に押し込みながら、お尻をゆっくり持ち上げる。
- 太ももと上半身が一直線になったところで軽く止める。
- ゆっくり下ろして最初の姿勢に戻る。
●フォームのポイント
- 腰を反らせず、お腹を軽くへこませて動く。
- 持ち上げる高さより、お尻に力が入る感覚を優先する。
- 足裏はかかと重心を意識。
●NG例
- 腰を勢いよく反らせて持ち上げる
- 太ももの前だけに力が入る
- つま先で押してしまい、お尻を使えない
●回数・セット
10〜15回×2セット
②サイドプランク(腹横筋で体幹の安定性を高める)
●効果
サイドプランクは、体幹の深層にある腹横筋・内腹斜筋を強く刺激し、腰椎を安定させる効果があります。
腰痛クライアントで多い「体幹が弱く、左右にブレやすい」タイプに特に有効です。
●手順
- 横向きになり、肘を肩の真下に置く。
- 脚を伸ばし、体を一直線に持ち上げる。
- お腹・お尻に軽く力を入れたまま姿勢をキープ。
- ゆっくり下ろして元に戻す。
●フォームのポイント
- 腰を反らさず、肋骨を軽く締める意識(息を吐く)。
- 腰ではなくお腹の横に力が入るのが正解。
- 首がすくまないよう、肩をリラックス。
●NG例
- 腰が落ちる・反る
- お尻が後ろに引ける
- 肩に力を入れすぎて首が固まる
●回数・セット
左右20〜30秒×2セット
③デッドバグ(多裂筋・インナー強化の王道)
●効果
デッドバグは、腰痛改善の中心となる腹横筋・多裂筋を同時に鍛えられるエクササイズです。
腰を動かさずに手足を動かすことで、体幹の安定性が自然と高まり、腰椎のぐらつきが減ります。
●手順
- 仰向けになり、両手を天井に伸ばす。
- 膝を90度に曲げ、股関節を持ち上げる(骨盤は中間位)。
- 片腕と反対側の脚をゆっくり伸ばす。
- 腰が浮かない範囲で元の姿勢に戻る。
●フォームのポイント
- 動作中はお腹の力を抜かず、呼吸を続ける。
- 大きく動かすよりゆっくり丁寧に行う。
●NG例
- 腰が反り返る
- 呼吸を止めて力んでしまう
- 足だけが先に動き、体幹が抜ける
●回数・セット
左右10回ずつ×2セット
④バードドッグ(腰を動かさずに四肢を動かす安定化トレ)
●効果
バードドッグは、体幹と股関節を連動させる基本エクササイズで、腰を安定させながら手足を動かす能力を養います。
腰痛クライアントの多くが苦手とする代償動作の改善に役立ちます。
●手順
- 四つん這いになり、手は肩幅・膝は腰幅に置く。
- 反対の腕と脚をゆっくり伸ばす。
- 背中・骨盤・頭を一直線に保つ。
- ゆっくり戻して反対側も行う。
●フォームのポイント
- お腹を軽く締め、腰をそらさない。
- 脚は高く上げすぎず、床と平行でOK。
- 体が左右に揺れない範囲で小さく動かす。
●NG例
- 腰を反らせたまま脚を上げる
- 体が左右に大きく揺れる
- 顔を上げすぎて首が反る
●回数・セット
左右10回ずつ×2セット
⑤ワイドスクワット(大殿筋を安全に使えるスクワット)
●効果
ワイドスクワットは、通常のスクワットより腰への負担が少なく、大殿筋・内転筋をしっかり使える腰痛向けの下半身トレーニングです。
膝や腰に不安がある初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
●手順
- 足幅を肩幅よりやや広めに開く。
- つま先を軽く外側へ向ける。
- お尻を後ろに引きながらゆっくりしゃがむ。
- しゃがみすぎず、膝がつま先方向へ動く範囲で立ち上がる。
●フォームのポイント
- 背中を丸めず、軽く胸を張る。
- 股関節から曲げる「ヒンジ」を意識。
- かかとに体重がのると、お尻が使いやすくなる。
●NG例
- 膝が内側に入る
- 背中が丸まる
- 腰が反りすぎる
●回数・セット
10〜12回×2セット
⑥立ってもも上げ(腸腰筋の働きを改善し腰負担を軽減)
●効果
腸腰筋は、股関節を前に引き上げる重要な筋肉で、動き出しの安定性に関与します。
この筋肉が弱いと、歩行や立ち上がりで腰が過剰に働き、痛みにつながりやすくなります。
立って行うもも上げは、腸腰筋を安全に活性化できるトレーニングです。
●手順
- 壁や椅子に軽く手を添えて立つ。
- 片脚をゆっくりと持ち上げる(股関節の高さまで)。
- お腹の力を軽く入れたまま、脚を下ろす。
- 反対側も同じように行う。
●フォームのポイント
- 背中をまっすぐに保ち、腰を反らせない。
- 太ももを上げるより「股関節を曲げる」意識。
- お腹を軽く締めて体幹を固定する。
●NG例
- 腰をそらして脚を上げる
- 上げる脚に勢いをつける
- 上体が左右に揺れる
●回数・セット
左右15回×2セット
腰痛を悪化させるやってはいけない筋トレ

腰痛改善には筋トレが効果的ですが、フォームが崩れた状態での筋トレは、痛みを悪化させる大きな原因になります。
臨床でも「頑張って筋トレしているのに悪化した」という相談の多くは、このやってはいけない動きが原因でした。
ここでは、特に腰に負担がかかりやすい5つのNGパターンを解説します。
当てはまる項目があれば、すぐに修正することをおすすめします。
反り腰で行う腹筋運動
反り腰のまま行う腹筋運動は、腹筋よりも腰椎への負担が大きくなり、痛みを助長しやすい動きです。
特にクランチ・レッグレイズなどは、背中が反ったまま行うことで腰が前方へ引っ張られる力が強くなり、椎間関節にストレスが集中します。
臨床では「腹筋を頑張った翌日から腰が痛くなった」というケースの多くが、反り腰姿勢によるものです。
腹筋を鍛える場合は、まず腹横筋を働かせる基本トレーニング(デッドバグなど)から始めることを推奨します。
腰が丸まるスクワット
スクワット時に腰が丸まると、体幹が抜けて腰椎に曲がる力が集中します。
この状態はバットウィンクとも呼ばれ、腰椎の過屈曲(前側の圧迫)が起きやすく、腰痛悪化のリスクが高まります。
腰が丸まる原因の多くは、
- 股関節の可動域不足
- お尻の筋力不足
- しゃがむ動作を腰主導で行っている
の3つです。
腰痛がある場合は、通常のスクワットよりワイドスクワットの方が骨盤を立てやすく安全です。
無理に深くしゃがまず、まずは浅めのレンジで正しいフォームを習得することが大切です。
フォーム崩れのデッドリフト
デッドリフトは本来、お尻と背面の筋肉を効率よく鍛えられる優秀な種目です。
しかし、フォームが少しでも崩れると、腰への負担が急激に高まる種目でもあります。
特に危険なのは、
- 背中が丸まったまま持ち上げる
- 腰を反りすぎてフィニッシュする
- 重量を優先し、股関節ではなく腰で引き上げる
という動作です。
臨床でも、フォームの崩れたデッドリフト後に腰痛が悪化したケースを頻繁に経験しました。
腰痛がある期間は、高重量のヒップヒンジ系種目は避け、まずはヒップリフトで股関節主導の動きを習得することが安全です。
高重量を扱う無理な種目
重量を一気に増やす急激な負荷アップは、腰痛を悪化させる最も多い原因のひとつです。
筋力がまだ整っていない状態で高重量を扱うと、体幹で支えきれず、腰が代償的に動いてしまうためです。
多くの人は重量を増やすことで効果が出ると感じますが、腰痛改善において大切なのは「フォームの安定」と「筋肉の正しい使い方」です。
痛みがある期間は、軽い負荷×正しいフォームを徹底する方が、結果的に回復が早いことが一般的です。
痛みをガマンしての反復動作
最も避けたいのが「多少痛いけど頑張れば効いてるはず」という考え方です。
鋭い痛みを我慢して続けると、組織の炎症が強くなり、回復が遅れるどころか慢性化のリスクも高まります。
臨床では「我慢して動いた結果、数日後に痛みが倍増して来院した」というケースが非常に多く見られました。
腰痛改善を目的とした筋トレは、痛みが10段階で0〜3程度に収まる範囲が安全ラインです。
それ以上の痛みが出た場合は、種目を中止し、フォームや負荷を見直しましょう。
▼この章のまとめ:腰痛期はフォーム>重量で無理な動きは禁物
- 腰が反る・丸まる状態はNG
- 重量よりもどの筋肉に効いているかを重視
- 痛みを我慢して行うのは絶対に避ける
正しい筋トレは腰痛改善の味方ですが、間違った方法は逆効果になります。
続く項目では、安全に筋トレを進めるための注意点と、受診すべきサインを詳しく解説します。
筋トレを中止して受診すべきサイン

腰痛は多くの場合、正しい動かし方を身につけることで改善が期待できます。
しかし、中には運動よりも評価が必要な状態が存在します。
これを見落として無理に筋トレを続けると、症状が悪化したり回復が遅れたりすることがあります。
私は14年間の臨床経験で
「動かしていい腰痛」と「動かしてはいけない腰痛」には明確な違いがあることを繰り返し実感してきました。
以下の症状に当てはまる場合は、筋トレを中止し、医療機関での評価を優先してください。
しびれ・脱力がある場合
足先のしびれや力の入りにくさは、神経が強く刺激されているサインです。
とくに、
- 足に力が入らない
- 足がもつれる
- 太もも・すね・足先の感覚が鈍い
などの症状がある場合、神経根の圧迫が疑われます。
この状態で筋トレを続けると、神経への負担が増え、症状が長引くリスクが高まります。
臨床経験でも、しびれを我慢して動き続けた結果、
1〜2週間で症状が悪化して再来院というケースが珍しくありません。
安全のため、まずは整形外科で評価を受けることをすすめます。
強い夜間痛・安静時痛がある場合
寝ている間に目が覚めるほどの強い痛みや、じっとしていても痛む安静時痛は、
炎症が強い・組織のダメージが大きいなどのサインです。
通常の筋肉由来の腰痛であれば、動き出しの痛みはあっても、安静にすると軽くなる傾向があります。
しかし、夜間や安静時に強く痛む場合は、
- 椎間関節の炎症
- 神経の強い刺激
- 椎間板の損傷
などが関与している可能性があります。
このような痛みがあるときに筋トレを行うと、負荷が炎症を刺激し、悪化を招く場合があります。
一度運動を控え、医療機関で原因を確認しましょう。
痛みが日ごとに増している場合
腰痛は本来、セルフケアで徐々に軽くなるのが一般的です。
しかし、
- 毎日痛みが強くなっていく
- 動かしても軽くならない
- 朝起きた瞬間に悪化している
といった場合は、負荷のかけ方が身体の状態に合っていない可能性があります。
臨床でも、動作の工夫をせずに筋トレを継続し、結果として炎症が抜けず悪化したケースを多く見てきました。
痛みが増えている期間は筋トレを中止し、原因(フォーム・生活習慣・姿勢)を見直すことが大切です。
改善が見られない場合は、早めに医療機関でチェックを受けてください。
転倒・事故後の腰痛
転倒や交通事故のあとに出る腰痛は、打撲・骨折・靭帯損傷などの外傷が隠れている可能性があります。
特に、
- ぶつけた直後から腰が強く痛む
- 腫れ・あざがある
- 立ち上がりに激痛が走る
- 動作のたびに鋭い痛みが出る
などは注意が必要です。
外傷性の腰痛は、筋トレで改善できる段階に入るまでに適切な評価が必要です。
無理に体を動かすと、組織の回復が遅れるだけでなく、痛みが慢性化するリスクもあります。
まずは整形外科でレントゲンやMRIなどの検査を受け、問題ないことを確認した上で筋トレを再開しましょう。
この章のまとめ:この4つだけは必ず例外。筋トレより評価が優先
- しびれ・脱力→神経症状の可能性
- 夜間痛・安静時痛→強い炎症や組織損傷のサイン
- 日ごとの悪化→負荷過剰または原因別の評価が必要
- 転倒・事故後→外傷のチェックが最優先
腰痛改善の第一歩は、「動かしていい状態かどうか」を正しく判断することです。
ここを見誤らなければ、筋トレはあなたの腰痛改善にとって強力な味方になります。
腰痛をくり返さないための姿勢・日常習慣

腰痛を根本から改善するには、筋トレだけでなく日常の姿勢や体の使い方を見直すことが欠かせません。
臨床で何度も見てきましたが、腰痛をくり返す人ほど「普段の姿勢や動き方」が整っていない傾向があります。
筋トレで筋肉を鍛えても、日常のクセが残ったままでは痛みが戻りやすくなります。
ここでは、特に腰への負担が大きい座る・立つ・歩くの3つに焦点を当て、今日から取り入れられる改善ポイントをまとめます。
デスクワーク中心の人の姿勢改善ポイント
デスクワークは腰痛の大きな原因のひとつです。
長時間同じ姿勢を続けることで、
- お尻の筋肉が固まる
- 腰まわりの筋肉が緊張する
- 反り腰・猫背が進行するなどの負担が蓄積します。
●改善ポイント
- 背もたれに骨盤を軽く預ける
→骨盤が倒れすぎず、腰のカーブが保たれます。 - 画面は目と同じ高さに設定
→首の前傾・猫背を防ぎます。 - 膝は90度、足裏は床にしっかりつける
→太ももや腰の緊張を軽減します。 - 30〜60分に一度は立ち上がる
→静止姿勢が続くと血流が低下し、腰痛が悪化しやすくなります。
●専門家としての一言
臨床でも、姿勢の見直しだけで腰の重さが軽くなるケースは非常に多いです。
まずは「長時間同じ姿勢を避ける」ことを徹底しましょう。
腰に負担をかけない座り方
座り姿勢は、一見ラクそうに見えて立った姿勢より腰椎への負担が大きいとされています。
ポイントさえ抑えれば、腰へのストレスを最小限にすることができます。
●正しい座り方のポイント
- 骨盤を立てて座る(背骨が自然なS字に保たれる)
- 座面が高すぎても低すぎてもNG
- 深く座り、背もたれに軽く寄りかかる
- お腹を軽く締める(腹横筋を働かせる)
●特に避けたい姿勢
- 腰を丸めて背中を曲げる猫背座り
- 浅く座って骨盤が後ろに倒れる姿勢
- 足を組み続ける(骨盤がねじれる)
●専門家の視点
腰痛クライアントの評価をすると、骨盤が後ろに倒れた座り方がほぼ共通して見られます。
座り方を変えるだけでも腰痛は改善に向かいます。
歩き方・立ち方の注意点
腰痛は歩き方や立ち方のクセが原因でくり返すことも少なくありません。
特に、股関節が使えていない歩き方をしている人は、歩くたびに腰で代償してしまうためです。
●立ち方のポイント
- かかと・母指球・小指球の三点で立つ
- 膝を伸ばしきらず、軽くゆるめる
- お腹を軽く締めて、腰を反らせない
- 頭の位置は体の真上へ
●歩き方のポイント
- 歩幅は「やや広め」にする
- 股関節から脚を出す意識
- 上半身は大きくねじらない
- かかと→つま先の順に体重を移動する
●専門家から
臨床経験では、正しい歩き方を習得しただけで腰痛の再発率が大幅に低下した例が多くあります。日常動作は軽視できません。
ストレッチとの併用方法
筋トレとストレッチは、腰痛改善において両輪です。
片方だけを行うより、組み合わせることで効果が高まります。
●筋トレ前:可動域を広げる軽めのストレッチ
- 股関節まわり
- お尻
- 太もも裏(ハムストリングス)
- 背骨(キャット&カウなど)
→動き出しがスムーズになり、トレーニングで正しく筋肉を使いやすくなります。
●筋トレ後:筋緊張をゆるめる静的ストレッチ
- 大殿筋ストレッチ
- 腸腰筋ストレッチ
- 背中のストレッチ(チャイルドポーズ)
→筋肉の疲労を軽減し、翌日のこわばりを抑えます。
●よくある誤解
「ストレッチだけで腰痛が治る」というイメージがありますが、実際には筋トレと合わせて行うほうが改善スピードが速いです。
筋トレで使える筋肉をつくり、ストレッチで動きやすい体を整える。この組み合わせが最も効果的です。
この章のまとめ:日常のクセを整えることが、腰痛改善の最短ルート
- 座る・立つ・歩くのクセを変える
- デスクワーク環境を整える
- ストレッチを併用して動きやすい体を維持する
筋トレだけでなく、生活習慣を改善することで腰痛の再発を大幅に防ぐことができます。
腰痛時の筋トレでよくある質問

腰痛と筋トレに関する疑問は、多くの人が必ず抱えるポイントです。
臨床の現場でも、今回紹介する5つの質問は特に多く寄せられてきました。
ここでは、専門家としての経験に基づき、わかりやすく回答します。
朝の腰痛が強いときは運動してOK?
結論:軽い運動ならOK。ただし負荷の強い筋トレは控えるべきです。
朝の腰痛は、
- 睡眠中の血流低下
- 筋肉のこわばり
- 関節の動きの硬さなどが原因で起こることが多く、動き出してから徐々に軽減する傾向があります。
●やって良い動き
- 軽いストレッチ(股関節・お尻・背骨)
- キャット&カウ
- 深い呼吸を伴う可動域運動
●避けたい動き
- 重量を使った筋トレ
- 腰を反らせる動き
- ひねり(ツイスト)の強い動作
朝の腰痛が強い日は、ウォームアップとして軽めに動かし、体が温まってから筋トレを行うのが安全です。
筋肉痛と腰痛の違いは?
筋肉痛は鈍い痛み・腰痛は動きに応じて鋭い痛みが出ることが多いです。
●筋肉痛の特徴
- 鈍い痛み
- 押すと痛い
- 動かすと温まり軽くなる
- 1〜3日で自然と軽快
●腰痛の特徴
- 動作で痛みが鋭くなる
- 立つ・座るで悪化
- 腰でピンポイントに痛む
- 動かし続けると悪化することがある
臨床では、痛みが日常動作で強くなる場合は筋肉痛ではなく腰痛の可能性が高いと判断します。
見分けがつかない場合は、一度負荷を下げて様子を見るのが安全です。
ぎっくり腰直後は筋トレしていい?
結論:直後の筋トレはNG。まずは炎症を落ち着かせることが最優先です。
ぎっくり腰(急性腰痛)は、
- 筋膜の急な損傷
- 関節の炎症
- 周囲の筋緊張などが急激に起きている状態です。
この時期に筋トレをすると、炎症がさらに強くなり、回復が遅れる可能性があります。
●やってOK
- 楽な姿勢での安静
- 軽い可動域運動(痛みの出ない範囲)
- 深呼吸
●NG
- 腹筋
- 重量トレーニング
- 立位での負荷運動
炎症が落ち着いてきたタイミングで、ヒップリフトやデッドバグなどの軽い体幹トレーニングから再開するのが安全です。
高齢者・運動初心者でもできる?
もちろん可能です。むしろ高齢者こそ筋トレが効果的です。
腰痛は年齢に関係なく改善が期待できますが、特に高齢者では
- お尻の筋力低下
- 体幹の弱さ
- 股関節の硬さ
が原因になっているケースが非常に多く、筋トレの効果が現れやすい傾向があります。
●おすすめ種目
- ヒップリフト
- バードドッグ
- 立ってもも上げ
- 椅子スクワット
いずれも自宅で安全に行える種目で、臨床でも高齢者に多く指導してきました。
ただし、最初は「回数よりも正しいフォーム」を優先しましょう。
ジムではどんな種目が安全?
安全に取り組めるのは腰を反らせない・丸めないシンプルな種目です。
特におすすめなのは、以下のような負荷コントロールしやすいトレーニングです。
●安全な種目
- レッグプレス(軽めの重量)
- ケーブルマシンのローイング
- ラットプルダウン(胸を張りすぎず背中で引く)
- グルーツマシン(お尻に効かせやすい)
●注意が必要な種目
- 高重量のデッドリフト
- バーベルスクワット
- 強い反りを強制されるバックエクステンション
これらは腰痛が落ち着くまでは避けるのが安全です。
●専門家から
ジムではフォームの崩れが起きやすく、間違った動きが痛みの再発につながることがあります。
最初は軽い重量・ゆっくりしたペース・正しいフォームを徹底し、様子を見ながら負荷を高めることをおすすめします。
正しい筋トレが腰痛改善の近道。今日から無理なく始めよう

腰痛を改善するためには、痛みの原因そのものにアプローチできる筋トレが最も効果的です。
筋肉を鍛えることで体が安定し、股関節が正しく使えるようになり、腰への負担が自然と減っていきます。
これは私が臨床で14年間、多くのクライアントをみてきた中で強く実感してきた事実です。
正しいフォームと無理のない負荷を選べば、腰痛があっても安全に筋トレを続けられます。
ここまで読んでいただいたあなたなら、今日から腰痛改善の第一歩を踏み出せます。
筋トレが腰痛に効く理由の総まとめ
腰痛と筋トレは一見相性が悪いように思えますが、実際には逆です。
筋トレは腰痛改善のための根本的なアプローチになります。
●筋トレが腰痛に効く理由
- 体幹のインナーマッスル(腹横筋・多裂筋)が働き、腰椎が安定する
- お尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)が骨盤を支え、姿勢が整う
- 股関節がスムーズに動き、腰の代償動作が減る
- 血流が改善し、腰まわりの筋緊張やこわばりが和らぐ
- 日常の動きが軽くなり、再発リスクが下がる
つまり、腰痛改善に必要なのは「腰を鍛えること」ではなく、腰を守る土台をつくることです。
今日紹介した6つのトレーニングは、まさにこの土台づくりに最適なメニューです。
無理なく続ければ、腰痛は確実に変わっていきます。
自宅で安全に始めるためのおすすめグッズ
(ヨガマット・ゴムチューブ・ほぐしボール・ストレッチポール)
腰痛改善の筋トレは自宅でも十分にできますが、正しいフォームを保ち、動きをサポートしてくれるグッズを使うことで、効果と安全性が大幅に高まります。
私が臨床やパーソナル指導で実際に使っている中で、腰痛改善に特に役立つ4つを厳選しました。
①ヨガマット(床の硬さを軽減し、フォームを安定させる)
床が硬いままだと、仰向け種目で腰が反りやすく、お尻や肩が痛くなりやすいです。
ヨガマットを敷くだけで、
- 腰が安定しやすい
- ポジションが崩れにくい
- 集中力が続きやすい
というメリットがあり、腰痛改善トレの必須アイテムといえます。
②ゴムチューブ(軽い負荷でお尻や体幹を刺激できる)
腰痛改善では「軽い負荷で正しく効かせる」ことが大切です。
ゴムチューブはその点で非常に優秀で、
- ヒップリフト
- ワイドスクワット
- サイドステップ
など、お尻を鍛える動作をちょうどよい負荷で行えます。
腰に負担をかけず、お尻がしっかり働くので姿勢改善にも効果的です。
③フォームローラー(硬くなった筋肉を効率的にゆるめる)
日常生活や同じ姿勢で固まった筋肉をゆるめるのに便利です。
- 大殿筋(お尻)
- 腸腰筋の周囲
- ハムストリングス
- 腰の横(腰方形筋)
など、腰痛に直接関わる部位をピンポイントでケアできます。
筋トレ前に軽く緩めておくと、正しい筋肉が働きやすくなるため、効果がさらに高まります。
注意:長時間やりすぎると筋肉に挫滅や炎症が起こることがあります。一部位3分程度を目安にしましょう。
④ストレッチポール(背骨・胸郭を整え、腰への負担を減らす)
ストレッチポールは、背骨の並び(アライメント)を整えるのに最適なアイテムで、腰痛クライアントにも非常に効果の高いツールです。
メリット
- 背骨が自然なS字に戻りやすい
- 胸が開いて呼吸がしやすくなる
- 肩や腰の緊張がふっと抜ける
- 姿勢改善の土台がつくれる
特に
- デスクワーク
- 猫背
- 肩こり併発
- 呼吸が浅いタイプの腰痛
こういった人は、ストレッチポールを数分使うだけでも筋トレがしやすい身体になります。
この章のまとめ:4つのグッズは腰痛改善の加速装置
- ヨガマット:安全性とフォーム安定
- ゴムチューブ:軽負荷でお尻強化
- ほぐしボール:硬さのケアで可動域UP
- ストレッチポール:背骨・姿勢の土台づくり
自宅での腰痛改善トレーニングは、環境を整えることで続けやすくなり、効果も高まります。
今日紹介したグッズは、そのまま「正しい筋トレを習慣化するためのベストセット」です。
